フルCGアニメーションが話題を呼んでいる『放課後ミッドナイターズ』が、8月25日から全国公開をスタートする。本作は2008年に制作された短編パイロット映画が、海外で高い評価を受けて今回の長編映画につながったという異色作である。有名小学校の放課後の教室を舞台に、人体模型キュンストレーキとその相棒の骨格標本ゴスが手ごわい子どもたちと対決するが・・・というストーリー。スラップスティックな演出と人目を惹くビジュアル、それを実現したCGアニメーションの技術が早くも注目を浴びている。本編以外に対する注目も、かなり高い。国内のアニメ映画では原作つき、テレビアニメ発、テレビ局とのタイアップがまだまだ大きな力を持っているが、『放課後ミッドナイターズ』はそのどれもと関連がないからだ。一方で、本作は作品ファンの獲得について、海外に目を向ける。ひとつはすでに決定している日本とアジア5か国・地域の同時公開である。作品の評判をアジア全体でムーブメントとして盛り上げる狙いとみられる。さらに7月の頭にフランス・パリで開催されたジャパンエキスポで作品を披露、シンガポールの大型アニメイベントにプレミア招待も受けているという。そうしたなかで『放課後ミッドナイターズ』が、新たな挑戦に乗り出した。米国アカデミー賞長編アニメーション部門に本作のエントリーを申請したという。米国アカデミー賞長編アニメーション部門といえば2003年に宮崎駿監督が『千と千尋の神隠し』が受賞したことで有名だ。実際にはアカデミーへの道は厳しい。エントリー申請後に選考を受け、まずアカデミー賞の選考対象作品になる必要がある。さらに数々の有力作品とノミネート獲得競争することになる。また、選考対象作品リストに加わるには、米国ロサンゼルス地区での1週間以上の商業公開が必要条件だ。今後、アジアに加えて、米国公開も目指すことになる。しかし、無謀にも見える米国アカデミー賞の申請も、本作の野望の大きさを窺わせる。『放課後ミッドナイターズ』が、今後どんなサプライズを日本、世界に巻き起こすか注目だ。映画『放課後ミッドナイターズ』8月25日ロードショーhttp://afterschool-midnighters.com/