SFマンガの巨匠 石ノ森章太郎さんの名作『サイボーグ009』が、2013年夏に米国で新たなかたちとなって登場する。石森プロと米国の出版社Archaia Entertainmentは、『サイボーグ009』に基づいた米国版グラフィックノベル『Cyborg009』の制作と2013年夏の出版を発表した。本作は石ノ森章太郎さんのマンガを原作とし、脚本をF.J. DeSantoさんとBradley Crampさんが担当、Marcus Toさんが作画を手掛ける。米国の一流スタッフがアメコミスタイルの作品とする。Archaiaは、米国の新興コミックス出版である。物語性の高い作品を得意としており、『The Killer』や『Mouse Guard』などのヒット作がある。歴史は短いが、アイズナー賞に数多くのノミネート作品を送り出し、これまでに二つの受賞がある。今回の『Cyborg009』の制作発表は、現在、米国・サンディエゴ市で開催されているコミコンに合わせたものだ。Archaiaコミコンの会場でも、存在感を放つ存在だ。7月13日には自社のパネルイベントの開催も予定している。ここで詳細が米国のファンに披露されることになりそうだ。同社のStephan Christy編集長は今回の取り組みについて、「石森プロと手を携えてこのような長年のファンの非常に多い素晴らしい物語である『サイボーグ009』を欧米のファンに新たな形でご紹介できることは本当に光栄です」と語っている。『Cyborg009』はグラフィックノベル(単行本スタイルのアメリカンコミック)として、ハードカバー大判変形A4大サイズ、オールカラー100ページに特集がついたかたちでの出版を予定する。2013年夏に米国と英語圏で発売されるが、その後は日本など各国版も予定する。さらに電子コミックスの大手comiXologyなどでの発売と同時配信も予定している。ワールドワイドかつ幅広い展開となりそうだ。名作で知られる『サイボーグ009』が新たなかたちとなることで、これまで異なる読者やファンの獲得にもつながりそうだ。石森プロによれば、『サイボーグ009』の海外原作翻訳版出版はこれまでにもあるが新たなデザインによるグラフィックノベルでの米国展開は初である。また、日本マンガの米国展開は数少ない例としている。これをスタートとして今後は、北米での原作翻訳版の電子配信や映画化も目指す。日本マンガの海外進出の新たなかたちとして注目されそうだ。『Cyborg009』原作: 石ノ森章太郎作「サイボーグ009」 スタッフ脚本: F.J. DeSanto, Bradley Cramp 作画: Marcus ToArchaia http://www.archaia.com サイボーグ009公式サイト http://009ing.com/