「塾のソムリエ」として活躍する、中学受験に詳しい西村則康氏に、塾の勉強についていけないときの対策と、転塾の考え方を聞いた。◆塾の勉強についていけないとき 4年生の段階で、内容が難しいと感じている場合、「うちの子はできが悪いから、難しい問題をたくさんやらせなければ」と思う親御さんもいるかもしれません。でも、それはお子さんをダメにするやり方です。 4年生くらいなら、ついていけないのは、計算が遅いとか、文章問題を読むのに時間がかかるといった、基礎力が原因の場合が多いのです。まずは原因をはっきりさせて、計算が苦手なら計算ドリルを、漢字が苦手なら漢字練習を、というように1日30分でいいので基礎訓練の時間をとるといいでしょう。◆転塾は何を基準に考えるか 5年、6年の段階で学習内容が難しくてついていけないという場合、転塾を考えたほうがいい場合もあります。 もし転塾するなら6年生の夏休みがラストチャンスです。 なぜなら、すでに述べたように、6年の夏休みからは、どの塾も復習に入るからです。この先通っても無理かもしれないと思いながら通い続けるよりは、ここで心機一転、転塾をしたほうがいいかもしれません。 転塾の際には、・今の学力と志望校とどのくらいギャップがあるのか・志望校は変えないのか、レベルを下げるのかということが大きな指標になります。 もし、志望校のレベルを1つ下げたとして、それでも学力が足りない場合、今の塾に通い続けるのか、それとももう少しやさしい塾に転塾するほうがいいのか。 あるいは、志望校は変えないとした場合、今のままでは2学期の志望校別日曜特訓での参加資格は得られていないことになる。しかし転塾すると、もしかしたら志望校のクラスに入れるかもしれない。では転塾をしたほうがいい。 というように、ひとつひとつ詰めていくのです。 気をつけてほしいのは、転塾をするときに、子どもに対して、「あなたがついていけないから転塾する」とは決して言わないこと。そうではなく、「○○中に合格するために転塾するのよ」と言ってあげれば、子どもは傷つかずにすみます。