調査会社の米ディスプレイサーチは20日(現地時間)、2012年第1四半期(1~3月)における全世界のテレビ出荷台数のデータを発表した。成長を続けてきた液晶テレビ市場が調査開始以来初の減少に転じた。 発表によると、CRTなども含めたテレビ全体の出荷台数は5122万台で、年末の需要があった前期との比較で実に32%も減少。前年同期との比較でも8%減少した。このうち液晶テレビの占める比率は4312万台で84.2%。前期比で33%の減少、前年同期比で3%の現象となった。液晶テレビの前年同期比での減少は調査開始以来初めて。 これまでの調査結果では、CRTテレビが大きく減少しながらも、それを上回る勢いで液晶テレビが増加し、テレビ全体では増加か横ばいという傾向だった。年間のデータでは、2011年に年間のデータとして初めてテレビ全体の出荷台数が減少に転じた。ただし、CRTやプラズマの落ち込みが大きかったのが原因で、液晶テレビは7%の増加だった。 液晶テレビが減少した原因として、ディスプレイサーチでは「薄型テレビ市場もすでに飽和状態になった。一般家庭ですでに1~2台所有している」と分析している。 メーカー別では、1位はサムソンで、前年同期比9%増と、上位のメーカーで唯一成長した。シェアは26.0%。2位は同じ韓国のLGで、3位以降はソニー、シャープ、パナソニックと日本企業が続く。ただし、いずれも前年同期比で20%前後減少しており、きわめて深刻な状況だ。