米NASAジェット推進研究所は9日(現地時間)、火星探査ローバーのオポチュニティ(正式名マーズ・エクスプロレーション・ローバーB)が5度目の冬を乗り越え、新たなミッションに向けて出発したと発表した。 オポチュニティは自走式の火星探査機で2003年に打ち上げられ、2004年に火星に着陸。火星に水が存在した証拠とみられる物質を発見するなど、数々の新発見をもたらした。その活動期間は火星の時間で90日(地球の日数とほぼ同じ)とされていたが、順調に稼働するため度重なる延長が行われてきた。 太陽電池を動力とするオポチュニティは日光が当たらない冬になると活動を停止する。火星に到着して8年になるオポチュニティは、火星での5度目の冬(火星の1年は地球の1.88年)を迎え、19週間に渡って冬眠状態にあった。無事に冬を乗り越え、5月8日に5度目の再始動に成功。12フィート(3.67メートル)を移動し、最新の画像も送信した。 当初の想定をはるかに超えた「冒険」を続けるオポチュニティは、新たなミッションを開始するが、太陽電池に積もったチリのために電力レベルが低下しており、最初の数週間はこのチリの除去に費やされるという。なお、オポチュニティに続く探査機として打ち上げられたキュリオシティは2012年8月に火星に到着する予定。