京セラは26日、商業用インクジェット印刷機のプリントヘッドにおいて、水系インク用「KJ4B-Y」とUVインク用「KJ4A-B」の新製品2種を発表した。4月より量産を開始する。同社量産品である「KJシリーズ」の印刷速度をさらに上回り、世界最速を実現したという。 今回、圧電セラミック技術を応用した圧電アクチュエーターの量産技術、インクの流路構造の設計技術とノズル形状の加工技術の確立により、量産化を可能とした。すでに鹿児島国分工場にて月産1,000本(2種合計)の量産体制が整っており、順次拡大を開始する。 「KJ4B-Y(水系インク用)」は、1つのインクノズルから最大毎秒4万回(=駆動周波数40kHz)のインクを吐出し、2,656個のノズルを有するヘッドから毎秒約1億滴のインクを吐出することで、従来品より約1.3倍速い印刷速度を実現した。一方「KJ4A-B(UVインク用)」は、1つのインクノズルから最大毎秒3万回(=駆動周波数30kHz)のインクを吐出し、2,656個のノズル数を有するヘッドから毎秒約8千万滴のインクを吐出することで、従来品より約1.5倍速い印刷速度を実現した。 この速度は、いずれも印刷解像度600dpi×600dpi、印刷幅4.25インチ幅、送り方向1ヘッドで印刷するシングルパスのインクジェットプリントヘッドにおいて世界最速だという(京セラ調べ)。また印刷幅が広い4.25インチサイズのヘッドを採用したことで、ミクロン単位でのヘッドの位置合わせや、インク配管、配線などのさまざまな調整が簡単に行えるのが利点とのこと。インクジェット印刷は、印刷物と非接触であるという特長から、繊維への印刷、プリンテッドエレクトロニクス(例:電子回路の印刷製造)など、さらなる用途拡大が期待されている。