JFEエンジニアリングは2月27日、東北電力の女川原子力発電所の「大容量電源装置」の設置を完了したと発表した。装置は、女川原子力発電所の緊急時の電源確保の手段として既に設置されている非常用ディーゼル発電設備や緊急安全対策として配備している電源車に加えて、より一層の安全性の向上を図るために新設したもの。JFEエンジニアリングは、自然災害などの発生による事故などのリスクを回避するための早期設置の要請に応えるため、MAN製空冷ディーゼルエンジンの4000kW発電設備3台を最短で手配し、設置工事も大幅に短縮することで8か月余の短期間で工事を完了した、としている。発電設備は、敷地内の海抜52mの高台に設置しており、それぞれが独立して運転できる4000kWのディーゼルエンジン発電機3基で構成する。燃料は軽油。エンジンは、空冷ラジエター方式を採用しているため、冷却水が不要。また起動時に外部電源を用いないブラックアウトスタートが可能。このため、給電や給水などのライフラインが断絶されていても発電を開始することが可能で、防災性能が高い。JFEエンジニアリングは非常時仕様に対応できるエンジンのラインナップを200~1万kWの幅広いレンジで展開しており、今後も多様なニーズに対して最適なエンジニアリングを提案することで防災インフラ整備に貢献するとしている。