スマートフォンのプラットフォームとしてはSamsungが「bada」を展開するなど独自OSの動きもあるが、現在のところLGではAndroidとWindows Phoneの2本立てとなっており、特にAndroidが中心となっている。同社は2010年1月のCESでCPUにIntel製プロセッサを採用したモバイルインターネット機器「GW990」を公開(商品としては未発売)していたが、消費電力をはじめとして改善しなければならない課題は多いといい、現在のところIntelアーキテクチャを採用した商品開発の具体的な予定はないとしている。 韓国ではもともとタッチパネル式の携帯電話が人気を集めていたこともあり、スマートフォンの浸透は日本よりも早く、今年8月までに1700万のスマートフォンユーザーがいると推定されているという。今後の推移として、スマートフォンのユーザー数は今年末までに2300万、2012年末までに4000万にふくれあがると見ており、LGでは来年韓国で販売される携帯電話の9割以上はスマートフォンになると予想している。 また、LTE端末の普及についてもLGでは強気の予想を立てており、来年の韓国では全スマートフォンの6割以上がLTE対応になるのではないかとしている。これはユーザーからの需要の高まりもあるが、スマートフォンの普及が従来の予想を上回る勢いで進んでいることによる通信容量の逼迫も背景に挙げられる。つまり、携帯電話事業者の立場としては、同じ周波数帯域でより多くのデータを転送できるLTEに少しでも早く移行してもらい、ネットワークを空けないことには安定したサービス提供が不可能になるということだ。 同社による戦略説明中、繰り返し何度も飛び出たキーワードが「LTEイコールLG」だった。LGはタッチパネルのユーザーインタフェース開発などはかなり早くから手がけていたが、フィーチャーフォンからAndroidへの全面移行ではやや遅れをとり、世界3位とはいえ2位のSamsungとの差は大きい。国土が小さく比較的早期にLTEネットワークが充実すると考えられる韓国でLTEスマートフォンを確実に成功させ、日本や米国などでも早期に「LTEスマートフォンのLG電子」というイメージを定着させたい考えだ。また、まだLTEネットワークの整備が進んでいない地域向けにも、戦略的な機種となる3Gのハイエンドスマートフォンを用意しているという。 NTTドコモはまだ今年の年末商戦向けモデルを発表していないが、CEATECではLG製のXi対応スマートフォンが展示され、日本においても同社のLTEスマートフォンが近々正式に登場するのは確実とみられる。これまで、ドコモの商品ラインナップの中ではローエンドからミドルクラスを担当することの多かったLGだが、LTEではモデム、スマートフォンとも先頭集団に躍り出ることに成功しており、これまでのドコモとの協力関係や、海外市場でのLTE端末の実績が認められた形だ。LTEシフトの戦略が功を奏するか、年末商戦の動きが注目される。
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