情報処理推進機構(IPA)は3日、2011年7月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況、および「今月の呼びかけ」を取りまとめた文書を公開した。 それによると、7月のウイルスの検出数は約2.3万個で、6月の約3.8万個から39.4%と大幅に減少し5月と同水準に戻った。7月の届出件数は1064件で、6月の1209件から12.0%の減少となった。検出数の1位は引き続きW32/Netskyで約1.0万個 、2位はW32/MyDoomで約9.5千個、3位はW32/Autorunで約1.5千個だった。不正プログラムの検知状況では、特に目立った動きはなかった。 不正アクセス届出は8件であり、そのうち何らかの被害のあったものは5件。7月のウイルス・不正アクセス関連相談総件数は1,490件。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が461件(6月:511件)となった。その他は、『偽セキュリティ対策ソフト』に関する相談が8件(6月:11件)、Winnyに関連する相談が7件(6月:7件)などとなった。 インターネット定点観測(TALOT2)による、2011年7月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は10観測点で102,888件、延べ総発信元は46,222か所。いずれも先月より減少した。ポート別では、445/tcpが大きく減少したにもかかわらず、11083/tcpからのアクセス増加が観測された。発信元地域はアメリカと中国が大部分を占めており目的は不明とのこと。 またIPAでは今月の呼びかけ「スマートフォンを安全に使おう!」として、2011年2月に続き、スマートフォンの新しいウイルスが次々と発見されている状況を注意喚起した。ここ最近のIPAのウイルス届出の状況においても、スマートフォン(特にAndroid端末)を狙ったウイルスが検出され始めているという。特にAndroid端末の場合はメール表示中の「インストール」ボタンを押すとアプリのインストールが開始され、ウイルスに感染してしまう場合があるため、取り扱いには十分注意する必要があるとのこと。