パナソニックと三洋電機が一緒になった結果、新たにパナソニックから登場する形となったポータブル型カーナビの『ゴリラ』。一見すると従来モデルの継承に見えるが、中身を検証すると着実に“パナソニック化”を遂げていることがわかった。この4月から三洋の製品はすべてパナソニックとして再スタートを切ることになった。ポータブル型カーナビもそれに伴ってラインナップの見直しが図られた。パナソニックから発売されていたポータブル型カーナビ『ストラーダ・ポケット』はすべて「ゴリラ」へと置き換えられたのだ。唯一「旅ナビ」だけはコンセプトの違いから継続されることになったが、基本的にパナソニックのポータブル型カーナビは「ゴリラ」に一本化されたと見ていいだろう。そこでパナソニック「ゴリラ」の最上位モデル『CN-GP710VD』を通して、その進化ぶりをチェックしてみた。明らかな違いはモニターのVGA化によって、その表示能力を大幅に高めたことだ。地図データをVGAに合わせて最適化しており、地名はより鮮明に、街区などもスムーズな表示へと大きく進化を遂げている。ただ、基本的なスペックは“三洋「ゴリラ」”を引き継ぐ。ジャイロ&加速度センサーを組み合わせた「GGセンサー」や「クィックGPS」などの採用をはじめ、メニュー構成なども従来と違いは感じない。しかし、細部を見ていくと、着実に“パナソニック”への変化に気付く。まず起動すると表示される、使用上の注意を読んで「確認」するボタンの新設だ。“三洋”時代はそのまま地図を表示していたが、この「確認」ボタンを押すことが求められるようになったのだ。次に違いを感じるのは、走行中の操作制限に対するアプローチ。“三洋”時代は付属のパーキングセンサーとの接続が必須だったが、このモデルではGPS連動式も選べるようになった。つまり、パーキングセンサーを接続しない場合は、GPSによる動きを検出すると自動的に操作がキャンセルされる。これはTV放送の視聴でも同じで、この二つはいずれもストラーダ・ポケットから踏襲したものだ。それと外観上で大きな変化は「Gorilla」のロゴマークの位置。従来はSANYOの社名よりも優先してモニター正面の一番見えるところ、言わば“特等席”に「Gorilla」のロゴマークが配置されていた。それがパナソニックとなって、「Panasonic」のロゴがこの位置に配置され、「Gorilla」のロゴは左上に移されている。同時に「Gorilla」のサイズそのものも従来より小さくなってしまった。一見すると従来と大きく変わっていないように見えるパナソニック「ゴリラ」だが、外観上も含め着実に“パナソニック化”が進んでいる。