リバーベッドテクノロジーのブースでは、同社のWAN最適化の仮想アプライアンスSteelheadのクラウドサービス版である「Cloud Steelhead」がデモ展示中だ。 同サービス自体は、昨年11月に発表されていたもので、同社のWAN最適化アプライアンス「Steelhead」をアマゾンのEC2上の仮想サーバで利用可能にしたものだ。 同社では従来よりWAN最適化アプライアンスSteelheadや、同機をVMware ESXで仮想化したVirtual Steelheadを提供してきた。これらの製品はいずれも、WANを経由した拠点間や、PC向けのソフト「Stealhead Mobile」を導入したクライアントと拠点との接続において、WANを高速化するものであった。パブリッククラウドを利用するユーザからもSteelheadシリーズ導入のニーズがあったという。Virtual Stealheadを、パブリッククラウド上の仮想サーバにインストールして利用するという方法もあるが、パブリッククラウド環境上ではスイッチやルータの設定をユーザが自由に行うことができず、導入のハードルは高かった。 その点、Cloud Steelheadでは、仮想アプライアンスの構築・起動・設定変更・管理などを一元的に行えるコントロールパネル「Cloud Portal」がリバーベッドから提供されており、Cloud Steelheadの管理は、すべてこのCloud PortalのGUI上で行うことができる。 また、クラウドサービスということで、月額制のサブスクリプション型料金体系を採用している点も特徴。アプライアンスサーバは、どうしても初期投資がかさむ傾向にあるが、Cloud Steelheadの場合は月額料金で済むため、導入へのハードルも低い。ブースの担当者によれば「月額2~3万円で利用できる」という。 Cloud SteelheadはXenベースの仮想アプライアンスであり、アマゾンEC2上のインスタンスイメージであるAMI(Amazon Machine Image)として提供される。 Cloud Steelheadでは、あらかじめクラウド事業者側がハイパーバイザー上にエージェントモジュールを導入しておく必要がある。これにより、WANの高速化の対象となる仮想マシンへのアクセスをインターセプト(横取り)して、Cloud Steelheadで最適化するという仕組みだ。WAN最適化の設定も最短で3ステップで済むという。 前述のように、クラウド事業者側でエージェントモジュールを導入する必要があるため、現在のところCloud Steelheadが対応するのはアマゾンのEC2のみとなっているが「現在、国内のクラウド事業者にも導入を提案している(ブース担当者)」とのことなので、同サービスが利用できるクラウドサービスが、今後は国内にも増えていくものと推測される。 なお、Cloud Steelheadで利用されているアクセスをインターセプトする技術は、クラウド対応のファイアウォールなどにも応用できるとのことで、こちらについても今後が期待される。
【Interop Tokyo 2011(Vol.10)】IPv6上でIPv4通信を可能にする「ActiveAssist SA46T」……富士通コンピュータテクノロジーズが参考出展2011.6.7(火) 20:15