D-Linkは、1986年に台湾で創立されたネットワーク機器の老舗ベンダー。600種以上の製品を擁し、世界68カ国に拠点を持つ。Wi-Fi/スイッチ製品の世界シェアは、SMB市場で第1位、エンタープライズ市場で第2位という。日本では長年OEM供給を行っていたが、2005年に「ディーリンクジャパン株式会社」を設立。以降は自社ブランド製品を市場投入。「Interop Tokyo」における同社製品の評価は高く、全出展社の中から最も優れた製品・サービスに与えられる「Best of Show Award」は、グランプリ・特別賞合わせて計5回も受賞している。
今年の「Interop Tokyo 2011」では、「D-Link Smart Green Wi-Fi & Ethernet」をテーマに、Wi-FiソリューションやIPv6ソリューションの紹介、新スイッチ製品の展示などを行う予定だ。その見どころについて、ディーリンクジャパンの澤太一氏(プロダクトエンジニアリング部 部長)に話を聞いた。
■Wi-Fiクラウドソリューションで構築・運用コスト削減
スマートフォンやタブレットのビジネス用途が広がりつつあり、Wi-Fiアクセスが今後ますます重要になると予想されている。これまでのWi-Fiソリューションは、(1)AP(アクセスポイント)をスタンドアロンで使用して個別管理する、(2)Wi-Fiコントローラを置いて多数のAPを集中管理する、という2つのソリューションが一般的であった。しかし「Wi-Fiネットワークをもっと簡単に管理したい」というユーザーに応え、D-Linkは現在「Wi-Fiクラウドサービス」の準備を進めている。澤氏が「他社では聞いたことがない」と言うこのWi-Fiのクラウド化は、今年後半にはサービス開始となる予定で、「Interop Tokyo 2011」が初お披露目の場となる。
スイッチ製品の大きなポイントは2つ。その1つが「D-Link Green」と呼ばれる節電機能だ。2007年にアンマネージドスイッチで世界初の省電力ボックススイッチをリリースして以来、上位製品への適用を順次進め、今年中にスタックスイッチとシャーシスイッチも含めた全ラインナップで省電力対応となる。また2007年当時はポートのリンクダウン時および短ケーブル利用時の自動節電機能のみであったが、現在の「D-Link Green 3.0」ではLEDの消灯、ポートのシャットダウン、システムアイドル時の自動節電機能にも対応している。
スイッチ製品のもう1つの大きなポイントは、IPv4アドレス枯渇対策としてのIPv6ソリューションだ。D-Linkでは、ほぼ全てのスイッチ製品で「IPv6 Ready Logo Phase2」を取得済みであり(ワイヤレス製品やルータ、ファイヤウォール製品についても今年中に取得完了予定)、ソリューションとして「デュアルスタック方式」と「トランスレータ方式」の2つを提供している。後者の方式では、IPv6/IPv4トランスレータ「DFL-1660/IT」を使えば、これまでのIPv4ネットワークを変更する必要がなく、既存資産を生かしながらIPv6ネットワークとの共存が可能になる。