東京電力は10日、福島泰一原発構内に散乱するガレキの撤去に、遠隔操作重機による作業を導入することを発表した。1号機から4号機までの一帯で実施する。放射能汚染したガレキを収容するコンテナ(3.2m×1.6m×1.1m)200個を準備し、集積所に一時保管する。8870tのガレキの撤去を予定する。遠隔操作重機によるガレキ撤去作業は、コマツのシステムを活用し、清水、大成、鹿島のJVが作業を実施する。2tトラックに積んだ中継局(中継車)を3号機タービン建屋の山側の道路に設置。半径250mの範囲で油圧ショベルでガレキを撤去、クローラダンプで一時集積所まで運ぶ。クローラダンプとはタイヤのかわりにゴム製の無限軌道をつけたダンプのこと。いっぽう作業員が乗っているのは、トレーラーを改造した移動式の操作室だ。作業員は操作室から、作業エリアとなる道路に固定した6台のカメラを通して、油圧ショベルやクローラダンプを操縦する。操作室は、作業エリアの外にある大型機器点検建屋そばに設置されているため、被曝の危険なくガレキの撤去作業ができる。また、作業員が放射線量を蓄積することがないため、作業員の人員確保にも役立つ。遠隔操作重機を使ったガレキ撤去では、中継車を使わず、操作室内外の作業員が直接無線で油圧シャベルやクローラダンプを遠隔操作することもある。