■ソリューションの技術概要 プリントオンデマンドソリューションSignDirectorの技術概要を以下に示す。(1)SignDirectorのシステム処理フローSignDirectorのシステム処理フローを図5に示す。システム処理の流れは以下の通りである。1. POPデザイナがPOPデザイナクライアントにて、POP広告を作成しそのファイルをSingDirectorにWebブラウザを利用しSignDirectorにアップロードする。アップロードの際に、印刷設定やファイルの属性などを設定する2. 各店舗でPOP広告を印刷したい時に、各店舗にある店舗クライアントでWebブラウザを起動し、SingDirectorにアクセスし、サムネイルを見ながら印刷したいPOP広告を選択し、印刷部数を指定する3. 店舗ユーザーは、Webブラウザに表示される【印刷】ボタンを押す4. SingDirectorは、印刷指示を受けると、該当の店舗に設置されているカラープリンタに印刷処理を行う(2)SingDirectorのソフトウェア構成 SignDirectorのソフトウェア構成のうち主要なコンポーネントを図6に示す。 図6に示す通りSignDirectorは、Windows Server)2003上で動作するWebアプリケーションである。また、ドキュメント管理ソフトウェアとしてWindows Server 2003のSharePoint)を利用している。プリントオンデマンドを実現するために以下の独自コンポーネントを開発した。(A)WebParts WebPartsとは、SharePointをプラットフォームとして利用した部品のことである。今回は、クライアントからのPOP広告ファイルを受信した後の各種設定項目結果表示などのWebPartsを開発した。(B)EventReciver EventRecieverとは、SharePoint上でのイベントに対する動作をカスタマイズするモジュールである。今回はSharePointにおけるリスト表示画面で、ボタンを押下とSignDirectorへのデータ保存を連動させるために、カスタムEventRecieverを開発した。(C)ActiveXコントロール サーバ上で動作するソフトウェアだけでなく、クライアントで動作するActiveXコントロールを開発した。ActiveXコントロールは、POP広告ファイルからサムネイルファイルを作成した後に、POP広告ファイルとサムネイルファイルをSignDirectorに保存する(図7)。(3)技術的特徴 SignDirectorの技術的な特徴は以下の通りである。(A)SharePointの利用 ドキュメント管理ソフトウェアとしては、現時点では世界中で最も普及しており導入しやすい、SharePoint を開発のプラットフォームとして採用した。(B)SOAP/XML通信(Webサービス) SignDirectorと外部とのデータ、情報のやり取りはSOAP/XMLを用いて開発した。外部との連携ではできるだけ独自の技術は用いずより柔軟に接続できるWebサービス技術を用いた。(C)外部ソフトウェアとの連携 すでに外部ソフトウェアで実装されている機能は新たに開発するのではなく、外部ソフトウェアと連携する方針とした。具体的には、SignDirector導入でプリンタを登録する時に、ネットワーク上のプリンタを検索する機能などは、既に製品として存在するPSV(PrintSuperVision)とWebサービスで連携することで実現した。(D)ドライバレス印刷 店舗ユーザーが利用する店舗クライアントは、印刷指示をするだけで、実際の印刷データは、SignDirectorで生成するため、店舗クライアントにプリンタドライバのインストールが不要である。SignDirectorにアクセスできるWebブラウザさえあれば印刷可能である。そのためクライアントの交換作業や、障害時の復旧作業に要するコストは低く抑えられる。SignDirectorの導入では、クライアント側で印刷データを作成する必要がないため、性能の低いクライアントでも、高スペックなクライアントと同等時間で印刷可能である。■まとめ 今回は、プリントオンデマンドのソリューションSignDirectorを紹介した。今後も、プリンティング分野でお客様の真の課題を把握し、最適なソリューションを開発していく。さらに、各ソリューションの連携の拡充を図るために、ソリューションフレームワークの策定、開発を行っていく方針である。■執筆者紹介(敬称略)嶋田徹一:Tetsuichi Shimada. 株式会社沖データ開発本部技術開発第一センタ開発第二部チームリーダ石崎浩司:Koji Ishizaki. 株式会社沖データ開発本部技術開発第一センタ開発二部※同記事はOKIの技術広報誌「OKIテクニカルレビュー」の転載記事である。
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