同技術では、「視域トラッキング技術」と呼ばれる技術を用い、裸眼3Dディスプレイの立体視域を拡大させる、現在開発中のシステム。裸眼3Dディスプレイを手で傾けることで、視点位置に応じた立体映像が表示される。デモでは、ディスプレイ内にスニーカーが表示され、ディスプレイを傾けることで、スニーカーの裏や側面などを見る事ができた。
東芝 研究開発センター マルチメディアラボラトリー 主任研究員 森下明氏は、現在普及が始まっている裸眼3D立体ディスプレイについて、「まだ見える範囲が狭く、頭の位置を少しでも動かすと、正常な立体映像が見えなくなってしまう」という問題点があるとしたうえで、同技術では、頭の位置がディスプレイから垂直に上に位置するという仮定のもと、ディスプレイを傾ける際、正常に3D映像が見える範囲を常に頭の方に振り向けることによって、仮想的に視域を3倍程広げることができるとしている。例えば元の視域が30度である場合、仮想的な視域は90度となる。森下氏は、教育分野やショッピングなどに応用できるのではないかと語っている。