IDC Japanは9日、2011年の国内IT市場において、キーとなる技術や市場トレンド、ベンダーの動きなどをまとめた、主要10項目を発表した。 同社によると、2011年の国内IT市場は、規模の拡大は期待できないが、クラウドやビジネスアナリティクスなど、これまで話題となった技術やサービスが、具体的に利用され、その成果が市場の評価を受ける年になるとしている。またその他の動きとして、スマートフォンや高速無線通信サービスの急速な普及や、IT関連ベンダーやサービスプロバイダー間のM&Aや、海外システムとの連携をあげている。 2011年の国内IT市場は、緩やかな拡大基調になるものの、一時的に減速し、前年からほぼ横ばいとなるという。同社は、2011年のITサービスおよびソフトウェア市場は前年比2~3%増のプラス成長、ハードウェア市場はPCが12%減となることにより、マイナス成長となると予測している。ただしスマートフォンなどのネットワーク機器に関しては、通信事業者によるLTE関連投資を背景に、前年比6~8%のプラス成長になると予測している。 同社があげた2011年国内IT市場に関する10項目は以下の通り。1. 国内IT市場は2010年以降、緩やかな拡大基調にあるが、2011年は一時的に減速する2. インテリジェントシティの具体化に向けたプロジェクトが始まり、業種を超えた国際標準化を目指し主導権争いが激化する3. スマートフォン、クライアント仮想化の普及が、PCを含むクライアント環境に地殻変動を与える4. 端末が牽引するモバイルソリューション市場で、固定系のソリューション提供力を持つ事業者が市場機会を得る5. ビジネス変化への対応スピードによってユーザー企業が二極化し、ハードウェアベンダーはビジネス戦略の再構築を迫られる6. スマートディシジョンに向けた次世代ビジネスアナリティクス(BA)環境と企業のIT基盤の融合に向けた基幹システムの刷新が加速する7. オフショアを超えた「グローバルなサービス提供体制」と、多拠点からのサービスを連携/統合する「スマートサービスインテグレーション」が進む8. クラウドの発展がICTベンダーにさらなる試練を与える9. ITサービスの複合化/多様化、および国内市場の競合激化に対応するため、技術や規模の確保を狙ってM&Aが加速する10. HCP(Hardcopy Peripheral)ベンダーからソリューションベンダーへの転換が本格化する
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