前原誠司外相は5日、流出したとされるビデオに対して中国当局から反応があったことを明らかにした。中国当局からの最初の照会は11月5日早朝。中国大使館から外務省中国モンゴル課に対して、事実関係と背景の問い合わせがなされた。また、同日昼頃には、外交ルートを通じて東京と北京の外務省担当者に「中国側から関心の表明と憂慮の意を伝える申し出があった」(前原氏)という。外務省側は、投稿されたものが海上保安庁が本当に撮影したものかどうか。もしそうであれば、どのように流出したのかなどの事実関係を調査していることを伝えたという。前原氏は「外交ルートからの申し入れについては、やりとりの内容は抗議ではないという報告を受けている」と、述べた。また、「日中関係を改善しようという流れは普遍。APECでも中国の首脳にご参加いただき、実りのある議論をしていただきたいと思っている」と、ビデオの流出が外交に与える影響を極力留めようとしている様子だった。