SQL Azureは、SQL Server 2008をベースにその機能をクラウド上に実装しているもので、アーキテクチャも同じ構造となっており、既存システムの移行が簡単にできる。実際、このセッションのデモは、壇上のノートPCによってSQL Azureの管理画面などに接続するスタイルで行われ、(畠山氏によれば)アプリケーションの開発も、クライアント側はノートPCで十分だそうだ。また、SQL Azureは8週間ごとに新機能の追加やリリースを行うというスケジュールで開発が進んでいるが、このセッションの前日の8月25日にも最新のアップデート(Update4)が行われた。その前のService Update3では、利用できるデータベースの容量も50GBに拡張されるなど、リリースごとにSQL Server 2008のフル機能に近付いているという。
MySQLやOracleからSQL Azureへの移行については、SQL Server Migration Assistant (SSMA)の機能をデモを交えて紹介した。また、実際のデータベースの場合、膨大なデータをオンプレミスからクラウド上に移動させる必要もある。あるいは、クラウド運用でも膨大なトランザクション処理の問題もある。その場合は、ネットワークの帯域や接続性を考慮すべきとのアドバイスもあった。
クラウド、オンプレミス間、クラウド間でのデータの同期方法についての説明も行われた。クラウド、オンプレミス間では、SQL Azure Data Sync(CTP)というツールが利用でき、クラウド間ではSQL Azure Data Sync Service (CTP)を利用するとよいという。それぞれの利用にあたっての注意点や事前準備の有無などが紹介され、最後に、SQL Azureやセッションで紹介したツール類も発展途上にあるが、日々の進歩や使いやすさの向上には、開発者のフィードバックが重要であるとして、セッションを終えた。
《中尾真二》