展示会場正面に公開されていたのは、ユーザーが興味を持つコンテンツをさりげなくテレビ上に表示し、視聴可能にするというもの。顔認識、行動認識、一般物認識、音声認識などの認識技術やコンテンツのメタデータ、時刻などを総合的に利用して、テレビがユーザーを識別する。ブースでは、テレビの前に座っているユーザーが近くの雑誌を手に取ると、それに関連したコンテンツをテレビに表示されるようすもデモされていた。また、メタデータと表情変化、行動認識などの連携している様子も表示されていた。
ただ、今回の目玉はスーパーハイビジョンの展示だ。従来の技研公開でもスーパーハイビジョンの展示は行われていたが、今年は技研80周年記念ということで、力を入れているようにも見受けられる。スーパーハイビジョンのスペックは7680×4320画素、60フレーム/秒、水平観視画角100°。音響は22.2マルチチャンネルとなっている。NHK放送技術研究所の谷岡所長は3年前の講演で、「見てる人が自分以外にもお客さんがいると錯覚してしまう。拍手したり手拍子をしたり……普通テレビを観ているとそんなことはしない。私もも思わず拍手していた。臨場感っていうのはこういうものかなと感じた」と感想を述べている。
スーパーハイビジョン・フル解像度カメラシステム、スーパーハイビジョン高効率映像符号化装置と映像、スーパーハイビジョンのケーブルテレビ伝送技術、放送局内ネットワーク、58インチ画素ピッチ0.33mm超高精細プラズマディスプレイ、22.2マルチチャンネル音響政策システムなどが一挙展示されている。