日本放送協会(NHK)は21日、標準化提案を行い策定作業を進めていたスーパーハイビジョンがSMPTE(米国映画テレビ技術者協会)にて暫定規格として承認されたと発表した。 SMPTEは映画テレビ産業の技術基準を策定する米国の民間標準化団体で、世界中の映像機器メーカーが多数参加していることから国際的な影響力が大きく、ハイビジョンの国際的な標準化にも大きな役割を果たしてきた機関。今回、SMPTEで暫定規格が承認されたことでスーパーハイビジョンの機器開発が加速していくことが期待されるとしている。 今年4月に開催されたフラットパネルディスプレイの研究開発・製造技術に関する専門技術展「第17回 FINETECH JAPAN」の基調講演にて、日本放送協会放送技術研究所所長の谷岡健吉氏は、スーパーハイビジョンのスケジュール感について「NHKはオフィシャルには言っていないが、研究所の立場では2025年までには実用化放送までもっていきたい」と話している。スーパーハイビジョンでは走査線数は4320本の超高精細映像と三次元マルチチャンネル音響で構成され、高い臨場感が得られる。ちなみに音声システムはアッパーレイヤーで9チャンネル、ミドルレイヤーに10チャンネル、ローレイヤーに3チャンネル、ウーファとして2チャンネル、合計22.2チャンネルが用意されているとしている。縦方向にも音の立体感があり、例えばロケットが打ち上げられているのを見る場合には非常に臨場感を得ることがでいるという。 今回の暫定規格では、50または60フレーム/秒のフレームレートを持つ、水平7680画素×垂直4320ライン、および水平3840×垂直2160ラインの2つの映像フォーマットが規定されており、SMPTE2036-1として公開されているとのこと。この暫定規格は今後、1年間の公開期間を経て正式な規格文書として承認される予定。