2009年11月に発表され12月より取り扱いがはじまった「BD-Hit Pot」が、イッツ・コミュニケーションズから到着したので、まずは本機の設置に至る経緯をお届けする。BD-Hit Pot(型番はTZ-BDW900M)は、CATV STB、BDドライブ、そして500GB HDDが一体となったPanasonic製モデルであり、スペックを見比べるとベース機となっているのはブルーレイDIGAのDMR-BW770とみられる。 記者の自宅ではこれまで、25インチのブラウン管テレビに2004年製DVD/HDDレコーダーを接続していた。レコーダーはPioneer製の「DVR-720H-S」という機種であり、ケーブルSTBとi.LINKで接続して連動させデジタル録画できる特長があった。購入当初は地上アナログはレコーダーのチューナーでアナログ録画し、ケーブル専門チャンネルとBSデジタルはSTBチューナーを介してデジタル録画をしていたのだが、i.Link接続が外部機器(この場合はレコーダー)をD-VHSビデオデッキとして認識するため、操作が非常にもどかしかった。カーソル1つ動かすのに数秒〜10秒ほどかかるという状態で、とてもまともに常用できる状態ではなかったのだ。しかも、デジタルでレコーダー内に蓄積した映像は、DVDに焼くことも、外部i.Link機器にダビング、ムーブすることもできないとマニュアルに明記してあるという始末。たしかにアナログ録画画質に慣れていた身としてはデジタル録画の高画質は素晴らしいものだったが、レコーダーから録画データが永久に取り出せないのはあまりにも不自由だということもあり、「画質を下げて自由を」という方向転換をした。 つまり、i.Link連動デジタル録画をあきらめて、レコーダーとケーブルSTBをSビデオケーブルで接続。専門チャンネルやNHK BSハイビジョンなどを録画するときも、(作業A)ケーブルSTBの電子番組表で視聴予約(作業B)予約した時間帯を暗記(作業C)レコーダーの外部入力を経由し、暗記した時間帯でタイマー予約……という人力録画を実施。当然画質はアナログ品質に落ちることになるが、DVDへのムーブなどができるようにはなったわけだ。だが、作業AとCのどちらかが欠けると録画失敗、作業Aでチャンネルを間違えたり作業Cで日付を誤入力したりすると無関係な映像を1時間丸々録画してしまうハメになったりと、この時代とは思えないローテクな状態だった。 テレビが25インチだった時はそれでもまだ自分をだましだまし使っていたのだが、7月にフルハイビジョンBRAVIA KDL-40F5を購入してから状況が一変。録画番組をみると映像周囲に額縁はでるわ画質は低いわでさすがに耐えられなくなっていた。HD画質と録画アナログ画質の差は、背景の生け花の描写力を見ても明らかだ。 BD-Hit Potであれば、非常に多くの問題点が一気に解決。今までは地上波の録画にレコーダーの電子番組表(EPG)、専門チャンネルの録画にはケーブルSTB EPG+レコーダーの手動入力録画だったところ、まず「地デジ・BS・専門チャンネル」のEPGが横一列につながって表示されるようになった。予約時にリモコンを持ちかえる必要もなくなり、録画画質は全てハイビジョン画質へ。配線も、そもそもレコーダー機能とSTB機能が1台に収容されているBD-Hit Potは配線が少なくなるが、HDMI対応ということもあって冗談みたいなシンプルさになった。ハイビジョン画質でDVDやBlu-rayへもダビングが可能。なんといっても、観るEPGと録るEPGの一元化ができるメリットは絶大だ。 地デジ、BS、ケーブル専門チャンネルの全てにおいて2チューナー同時録画ができる本機。これで年末年始は録画三昧だ!