日本電気(NEC)とF5ネットワークスジャパンは15日、SAPシステムの最適化について共同検証を実施したことを発表した。 NECの省電力サーバ「Express 5800/ECO CENTER」および統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」と、F5のアプリケーション・デリバリ・コントローラ「BIG-IP Local Traffic Manager(BIG-IP LTM)」より構成されたシステムについて、負荷状況に応じて最適なサーバ台数で業務を遂行するSAPシステムの検証を行った。各アプリケーションサーバにかかる負荷をNECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」で監視し、サーバリソースを割り当て、さらにその構成変化を「BIG-IP LTM」へ通知し、その時々の構成に応じてシステム負荷を平準化することにより、最適なシステム構成による業務遂行を実現した。 これにより、通常のラックタイプサーバを使用し、かつ高負荷時に必要な構成で運用する場合と比較して62%の省電力化およびCO2削減を実現したとのこと。また、負荷のピーク時が異なるシステム間でのリソース共有も可能で、データセンター内におけるサーバ台数の最適化も図れるという。なお負荷状況に応じたシステム構成の変更は、あらかじめ「WebSAM」に設定したポリシーに準じて行われるため、システム特性に応じた運用が可能。サーバあるいはアプリケーション障害時の対処をポリシーに盛り込むことで、SAPシステム自体の監視に加えてサーバの障害(HW、SW)を含めたトータルな運用が可能とのこと。 NECは、2009年6月末日には同社のホームページに検証結果を公開し、SAP社の共同検証センター「COIL Tokyo」で開催されるセミナーでも紹介する予定。両社は今後、SAPシステムのユーザーを対象に、サーバからネットワークまでシステム全体の最適化を検証したシステムを提供していく計画だ。