アルカテル・ルーセントは29日、オプティクス事業に関する記者向けの説明会を開催した。同社のオプティクス事業のトップである仏アルカテル・ルーセントのオプティクス事業部バイス・プレジデントであるステファノ・シァヴォニ氏は、「MPLSでカバーできないサービスはない」と同社の光ネットワークの戦略を示した。 同氏は、通信会社におけるトラフィック伸びと収益の関係性を示すグラフをあげて、「トラフィックは伸びているが、収益は落ちている。このような運用を続けていくなら、ネットワークの運用コストは伸び続ける。アルカテル・ルーセントのミッションの1つに、このインフラコストを抑えることがある」と説明した。その上で「単に新しい技術ではなく、標準化に注力する必要がある」とする。 現在の通信会社は、ATMなどの交換機ベースのネットワークと、イーサネットなどのIPベースのネットワークが混在おり、コストを押し上げる要因の1つとなっている。そのような状況で重要となってくるのは、「両方のネットワークをパケットの標準技術でまとめることだ」とする。 具体的には、1本の光ケーブルや1つのパスで、IPと回線交換のネットワークを通すという技術。さらに、光ファイバーの切断やハードウェアの故障などの障害が発生したときに、自動的に故障点を迂回する通信経路を設定する技術も含む。同氏は、“50ミリ秒以内の切り替え”を何度も強調した。回線交換式の電話サービスはもちろんだが、IPネットワークであっても「VoIPなどのサービスを扱うと途切れることはできない」との理由のため。MPLSでIPと回線交換式のネットワークを統合する標準規格として「MPLSトランスポート」(MPLS-TP)があげられる。 IPと回線交換式ネットワークの統合を目的とした同社の製品としてはユニバーサルスイッチの「1850 TSS」シリーズがある。1850 TSSは、2年前に発表をした製品だが10月9日に、MPLSをサポートしたリリース3を発表した。これにより、IPと回線交換のネットワークをMPLSに統合できるようになった。MPLS-TPはIETFにて標準化作業が進んでおり、1850 TSSでは規格が決まり次第、すぐに移行できるとしている。 1850 TSSは今のところ世界中で30の事業者に納入。チャイナモバイルにおいて、ビデオと音楽配信を提供するために採用したとの事例を紹介した。日本では「いくつかの通信事業者が興味を示している。ごく近いうちに納品したという話ができるのではないか」としている。 「PBB-TE」と比較したMPLSの優位点も強調した。PBBは広域イーサネットの技術で、PBB-TEはMPLSのように経路を明示的に設定できる技術だ。「PBB-TEは興味深い技術」としながらも「アルカテル・ルーセントはMPLSに注力する」とした。PBBが扱えるのはイーサネットのみだが、MPLSは交換機ベースのネットワークとイーサネットも含めたIPベースのネットワークが両方とも扱える。「MPLSでカバーできないサービスはない」として優位点をアピールした。
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