最後に角川歴彦チェアマンが「映画という芸術は誠に魅力的で華やかなものです。観客に夢を与え、ときにはその人の人生に決定的ともいえるような影響を与えることもある素晴らしいメディアです。しかし、映画の現場は実態としては非常にハードなビジネスです。ヒットするかしないかという現実に橋をかける裏方の存在も重要です。映画祭はそんな裏方の人たちも含め映画の創造に参加しているすべての人々に光りを当て、コミュニケートできる唯一のイベントだと私は考えています。東京国際映画祭(TIFF)は第20回を数えて、初めてその根本的な役割を実現することに成功しました。世界中の映画人が参加して、国際という言葉にふさわしい国際色豊かな場になり始めました。これにはTIFFそのもの努力とフィルムマーケットTIFFCOMとの多様な相乗効果が貢献しています。“クール・ジャパン”を世界に発進する秋葉原エンタまつりも見逃せません。これからも東京国際映画祭が映画産業に関わってゆく人たち、スポンサー、政府、地元の人たちに喜びと勇気を与え続けることを願ってやみません。最後に裏方として映画祭に関わっていただいた皆さんに感謝します」と締めくくり、受賞者、審査委員、ボランティア・メンバーら映画祭に参加し盛り上げた大勢の人々がステージに集い、キャノン砲で吹き上げられた紙吹雪が舞い散る中、第20回東京国際映画祭は閉幕となった。(photo by 稲葉九)
《齊田安起子》