富士通研究所は5日、 IP電話やインターネット上の映像配信など大規模なネットワークサービス向けに、ユーザの体感品質(QoE:Quality of Experience)を定量化し、「見える化」する技術を業界で初めて開発したと発表した。
QoEとは、音声の聞こえやすさや映像の見やすさなどユーザが感じる品質を示す指標のこと。これまではIPパケット損失や遅延といった通信品質(QoS:Quality of Service)が同一であっても、たとえばIP電話におけるエコー・ノイズの有無や、配信映像の種類によるちらつきの目立ちやすさの相違など、ユーザのQoEは異なる場合があった。そのため、QoEを表す指標値はいろいろ提案されてきたが、音声や映像などのメディアごとに、元データと劣化データの両方を与えて指標を算出する、高価な専用装置を使わないと定量化は困難とされてきた。