副編集長が言いました。「みおみお、すっかりコアなオタクだもんねー。PC組み立てられるし」うわん!泣きたい!そんな私は、今日もマシンをカスタムメイドです。1つのことを極めんと、しつこいばかりに食い下がる。それがオタクです。ケースごつけりゃ、CPUクーラーまでごつい。今こそ呼ぼう、我らがタマネギクーラーを!!実は高速電脳で買っちゃいました!CPUクーラー「Mars」。税込で7,329円也!普通のケースだと、入るかどうかってところから心配だったけどこの前入れ替えたこのケース、“CM Stacker 831 600W Green”なら問題なかろ!って、そうか。またばらさなきゃいけないのか、コレ……前回の5万円の高級アルミケース、“CM Stacker 831 600W Green”このまま作業となると、スペース確保にひと苦労です。さすがにここじゃ邪魔だよね、とオフィス出入り口付近で立ち往生。よりによって、なんで編集部員がいっぱいいる日に取り付けようなんて思うのか。あ、打ち合わせ中の編集部員のデスクの後ろが空いてる。あそこ借りよう。キャスターがついてるので、移動も楽々。ケースの上部は前にも後ろにも手をかけられるところがありますんでこれを使えば前後にスムーズな移動が可能です。いやぁ、コレってこう便利だったんだね。ゴロゴロ。ゴロゴロゴロ。おまけにゴロ。おっと、無駄に一往復してしまった。デスクの後ろで、ケース横倒しします。現存のCPUクーラーを引き剥がさなくては。引き剥がさな…フンッ!引き剥が……フンッッ!!引き剥…フンガーッ!!!「ベリベリ!」どころか「ベキベキッ!!」と音がして、やっと離れてくれました。いやぁ、我ながら先が不安な作業始めですね。数時間後には使えなくなってるんじゃないか、これ。5万弁償しませんよ?さぁて、取り出だしますMars。型番はRR-CCX-W9U2-GP。まぁ、私がいうところの、いわゆるタマネギですが、見る人によっては、飛びそうだとか(飛びません)、未確認飛行物体だとか(完全に視認できる上に、飛びません)だとか意見は様々です。色がアルミですからね。タマネギには見えづらいかもですね。次世代Marsはヒートシンクまで銅だそうなので、その点はバッチリ改善されているので安心ですね。(注:熱のことよりも色が気になるみおみお)で、ここにジャンパーピン。回転数を調整するスイッチみたいなものだそうです。3ピンあるうちの、2つを隠すカバーがついていて、これによってファン回転数モードを3段階に変更できるんだそうです。ちなみに「SilentMode」は1800rpm固定、「Performance Mode」は3,000rpm固定、「PWM Mode(4pin)」は900〜2,500rpmのPWM可変とのこと。ピン型だからってマザボに挿しちゃいけないんだそうです。見た目はまるっきり挿せそうなのに。見た目で判断してはいけないってことですね。で。どうつければいいんでしょ…Marsを片手に、膝元に丸裸のPCを前に、固まる私。本体を見ても、マザボにくっつけられるようなネジ穴もネジも見当たりません。底辺にある4cm四方ほどの接着面に保護シールが貼ってあるということはここは粘着部分なんだろうけど、こんな重いものを、これだけの接着面で縦置きできるほど、この部分の接着は強力なのか……?…そんな馬鹿な。さすがの私でもおかしいことに気づきますよ、これだけの接着面積で固定しようとしたらケース持ち上げた瞬間、ボキボキって音を立ててMarsは落ちます!マザボの表面こそぎ落としながら、落下してきますよ!想像しただけで身の毛もよだちました。なんとか固定する部品を見つけ、CPUクーラーに脚部をくっつけまして、いよいよマザボにくっつけようとしましたところ、「グリスを塗れ」との指令が頭上から来ました。あ、今、オフィスの床に這いつくばって作業しております。うら若き乙女には中々の羞恥プレイやもしれませんが、私はへこたれません。うら若くないからでしょうか。……グリスってのは接着剤なんですか?頭上の人に向かって問いかけます。「接着面にある、金属の細かなでこぼこを緩和して、より密着させるために塗るんだよ。熱伝導率を高めるんだな」—入れ歯のポリデ○トみたいなものですね!「入れ…まぁそうかもね」Mars備え付けのグリスは、注射器型。なかなかシャレてます。注射器の尻側を押し込むと先から出てきたのは、粘土じみた物体。え、接着剤みたいに透明ジェルタイプなんじゃないの?勝手な想像のために、戸惑いMAXです。しかも大分粘性が高いみたいで、全然広がってくれません。ええい、もういい!お前などMarsの重さで均等に押しつぶしてくれるわ!!接着面に、適度なグリスを放置して、次に進むことにしました。ムラがあっても、きっとMarsがたくさん冷やしてくれるさ!おー次ーはーマザボにいよいよMarsをくくりつけですねー説明書をみると…『マザボの裏からネジ止めをします』え。えええええええええ。慎重にぶちぶちと、マザボに挿さっているコード類を引っこ抜きます。引き出し式マザボ台を引き出します。ああ、ここだけで済めばいいのになぁ。作業簡略化のための引き出し式じゃないのか!コレじゃ意味ないじゃん!裏側なんて、全部外さなきゃだめじゃん!!くゎぁぁッ!!!ちょっと、魂の雄たけびをして気持ちをなだめ、外します。ふふ、2度めだなぁ、ここからマザボ外すの……マザボがこんな頻繁に脱着させるものだなんて、私知らなかったヨ。バタバタしてる編集部の中で、ただ独り、黙々とドライバーで作業する私。悲しさなんて、みおみおやってりゃ邪魔なだけだからな。次第に麻痺してくるのさ…それが大人になるってことかな。うーん、マンダム。CPUクーラーをグリスに押し付け、圧迫。その状態のまま、マザボを押さえて裏返します。弱火でじっくり表面がきつね色になるまで焼かないようにしましょう。Marsを脚として、マザボを固定。裏からニョキっと出てる、ネジにワットとネジを挿し込んで締めていきます。ネジ、今までと違って六角形のあれです。マザボに無事固定。独りでマザボをケースの引き出しにくくりつけた後、電源とスイッチだけつけて動作確認。スイッチを入れると、ウィィィィィン、と低くて小さい音を上げてファンが動き出しました。動いた動いた!今回も無事独りでできましたー!おーいおいおい、うれしいよーもう、立派なオタクだね、なんて言われちゃってもいい、これはホントにうれしたのしのステキ体験なのだ!それにしても、すごいです、Mars。タマネギ型の中でちっちゃなファンががんばって回ってます。こんなとこにファンなんてあったのか、電源つけなきゃ気づかない慎ましさ。そのファンが一所懸命に送風してくれています。ごつさの中にこそ、際立つ可愛らしさです。その可愛らしさを、より清楚にするがごとく、タマネギが内部から青白く発光しております。その青い光が、マザーボード一体をやさしく照らし出す…そんな風景。そんな可愛くてしたかないMarsに愛を込めて。今日は終わり!