Tech・Ed 2006では「Windows Mobile 5.0 ビジネス活用術」と題したテクニカルセッションが、マイクロソフト株式会社 モバイル&エンベデッドデバイス本部 シニアプロダクトマネージャの岡田陽一郎氏よって行なわれた。
マイクロソフトでは現在、同社製品をモバイル化する「Mobilizer」の動きがあり、サーバおよび開発ツールのモバイル化、デスクトップの連携強化、Windows Mobile 端末の市場投入などに取り組んでいる。しかしWindows Mobileビジネスの盛り上がりにはパートナーの協力が必要であるため、シリコンベンダー、端末メーカー、通信事業者、独立系ハードウェア/ソフトウェアメーカー、ソリューションプロバイダーなど、あらゆるパートナーへの投資を今後さらに増やしていくという。本セッションでは、そうした背景をふまえ、Windows Mobile 5.0の機能紹介を中心に進めながら、パートナーからのソリューション提供が呼びかけられた。
■Windows Mobile 5.0の基本機能 セッションの前半は、デモを交えたWindows Mobile 5.0の基本機能の紹介がされた。ウィルコムのW-ZERO3[es]を例にとったダイヤルキーとスライド式QWERTYキーのデュアルキーボードや、ActiveSync 4.2の改善といったユーザビリティの向上のほか、FIPS 140-2 レベルに対応したセキュリティの向上が強調された。また Windows Mobile5.0 に組み込まれているWindows Office Mobileについても、Excel Mobileのグラフ表示やPowerPoint Mobileのアニメーションおよび拡大表示などの新しい機能、さらにはパートナー開発によるアプリケーション例が紹介された。
■Windows Mobile 5.0のビジネスソリューション ビジネスソリューションとして例示されたのは、まず上司と部下のメールのやりとりである。各種のOfficeデータを添付したメールを送受信し、必要なときに必要な場所で作業できるためのソリューション。また、外勤者がRemote Accessによって社内データにアクセスするケースでは、Webサーバを介して、あるいは直接SQL Serverに対してWindows Mobileから在庫データの確認や取り込みを行なったり、さらにはVPN 接続やASPサービス、SQLサーバのソリューションが考えられる。
■Outlook Mailの強化とセキュリティポリシーの適用 Windows MobileにMessaging and Security Feature Packを搭載することで、Exchange Server 2003 SP2および2007との間で、Outloook Mobileをより使いやすくしたり、デバイスに対するセキュリティポリシーを設定したりすることが可能になる。