ソフォスは1日、2005年11月のコンピュータウイルスの報告数をまとめた「トップ10ウイルス」を発表した。新しい「Sober-Z」ワームが、11月の下旬に発見されたにも関わらずチャートのトップに踊り出、過去何ヶ月もの間1位の座に君臨し続けていたNetsky-Pが、ついに2位に降下した。 Sober-Zは、11月にソフォスにレポートされたウイルスの42%を占めた。このワームはメールの添付ファイルとして送信され、一度起動してしまうと、ユーザーのセキュリティシステムを無効にしようとする一方、次のターゲットを探してユーザーのハードディスクからメールアドレスを搾取しようとする。 このワームの作成者は匿名で2年以上にもわたり活動を行っており、2003年10月に初めてSoberワームが報告されて以来、騙されやすいコンピュータユーザーに影響を与えるウイルスに仕上げるためのテストを続けているという。この最新のワームでは、CIAやFBIからの警告を装い、違法のウェブサイトを訪れる人を非難している。 また、Soberワームはしばしば英語とドイツ語の2言語で広まっており、前述のFIBやCIAを装うほかに、ドイツ語版「クイズ・ミリオネアー」のフリをしたり、アメリカのスターParis Hiltonになりすましたりと多様さを見せているという。 ソフォスは「Soberファミリーはゴキブリのごとく撲滅するのが難しいように見えるが、ユーザーが無許可で送りつけられたメールに対して用心深くしていれば、ネットワークへの感染を阻止することはできる」とし、ユーザーのさらなる注意を呼びかけている。 一方で「Mytob」ファミリーも未だ広範囲な広がりを見せており、トップ10の半分を占めている。Sober-Zのほかでは、今月のチャートはMytob、Netsky、Zafiウイルスのファミリーによって占められており、このことは、サイバー犯罪がウイルスの効果を最大限に引き出すため、既存の脅威の新しい亜種をますます生み出していることを示しているとしている。 2005年11月におけるトップ10ウイルスは以下のとおり。[1位] W32/Sober-Z:42.9%(新規)[2位] W32/Netsky-P:8.1%[3位] W32/Mytob-GH:6.8%[4位] W32/Mytob-EX:4.5%[5位] W32/Zafi-D:4.0%[6位] W32/Mytob-BE:2.3%[7位] W32/Zafi-B:2.1%[8位] W32/Mytob-AS:1.6%[9位] W32/Netsky-D:1.2%[10位] W32/Mytob-C:1.1%・その他:25.4%