東芝は15日、机の上などに水平に置いた画面から、立体的な映像を表示させる新ディスプレイ技術を開発したと発表した。本ディスプレイは、教育展示やアーケードゲーム向けに開発したもので、正面から斜めの方向に見下ろすと、特別な眼鏡を用いず裸眼でも映像が数cm浮き上がるように見えるという。 今後は、タッチパネルと組み合わせて画面に触れて操作する機能などを追加し、2年以内に製品化を目指すとしている。 裸眼立体ディスプレイは、両目にわずかにずれた映像を届けて立体感を感じさせるもの。微小なレンズを並べたフィルムで光の進行方向をコントロールするディスプレイパネルと、見る角度に応じた映像を作り出すソフトで構成される。 従来技術は、右目用と左目用の2種類の映像で立体視する2眼式が主流で、正しく映像の見える角度が限られ、目が疲れやすい問題があった。 本ディスプレイは、実物を見るのに近い光線を画面で再現するインテグラルイメージング方式(光線再生方式)を採用。十数方向(試作品では12、16方向に対応)から撮影した映像やそれに相当するCGデータを見る角度に応じて表示させることにより、正面から左右約30度の範囲で自然な立体映像を見られるという。 ディスプレイの大きさは24インチと15.4インチの2種類で、光線の出し方などを水平に置く画面専用に設計。 画面解像度は、同社従来技術の1.5倍にあたる480,300画素となる。これにより、テレビの地上波アナログ放送並みの品質の展示映像やビデオゲームなどを立体表示できるという。 なお、この新ディスプレイは、4月20日から東京ビッグサイトで開催される「第1回 国際フラットパネルディスプレイ展(Display 2005)」に展示する予定。
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