モバイル放送は、東芝、SKテレコム、トヨタなどコンテンツ事業者、ハードウェアメーカ、通信事業者など71社が出資して設立された会社。2004年中をめどに、全国をエリアに衛星を用いてモバイル向けの放送事業を開始する予定だ。
この放送サービスでは、ビルの影やトンネルにギャップフィラーを設置したり、強力な誤り訂正符号化やマルチパス対策を施すことで不感地帯でも受信できるなどの工夫が施されているのが特徴だ。また、放送されるコンテンツはUSENから再配信されるラジオ番組、CSから再配信されるテレビ番組、データ放送の計70チャンネル程度が予定されている。
このモバイル放送のブースには各種端末が並べられていた。
スタンダードなものとしては、タカラが展示している端末が挙げられる。この端末は、外出中はバッテリーで駆動し自宅ではクレイドルで充電するもの。なお、タカラはコンテンツの提供も行っており、ハードウェアとコンテンツの両面で参入することになる。
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右に見えるのが端末。左奥にあるのがクレードル。正面の扉を開いて端末をセットする |
また、ミノルタは参考出品としてゴーグル型の「ホログラムフィックシースルーブラウザ」を展示している。解像度はQVGA(320×240)で、ゴーグルをかけても視野を遮らないため、電車の中でもモバイル放送が楽しめるとアピールしている。
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ミノルタの「ホログラムフィックシースルーブラウザ」。残念ながら実際に試着はできないが、映っている映像を楽しむことはできる |
なお展示されている端末の映像は、実際に試験用の衛星とギャップフィラーを用いて放送されたもの。これを見る限りでは、技術的にはほぼ完成しているようだ。
これらの端末はサービスの開始にあわせて、カー用品店や家電量販店などで販売される予定だ。