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Sirius(左)とXM Satellite Radio(右)の会場外のバルーン合戦 |
今年の動きとしては、これまで自動車市場に重きを置いていたものが、両社ともに家庭や事務所での利用も考慮したということだ。具体的には、家庭でも使える「プラグ&プレイ」機能を備えた製品の強化と、家庭専用のラジオデッキを投入している。
Sirius
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Siriusのブース |
XM Satellite Radioに先駆けて衛星を打ち上げたにもかかわらず、結局サービス開始はXM Satellite Radioより半年遅れてようやく3月にスタートした。と思いきや、8月には倒産の危機が報じられ、11月には追加融資を要請せざるを得ない状況に。
開幕第一戦でXMとの戦いに惨敗した理由には、XMが2機の静止衛星を使っているのに比べて、Siriusは3機の軌道衛星を使うことによるコスト、サービス開始の遅れに加え月額料金がXMより3ドルほど高いなど顧客獲得で遅れをとったことなどがあげられる。
しかし年末からは気分が一転し、レンタカー会社のHerzとの契約が発表されたり、XMと同じ100チャンネルに一気にコンテンツを増やし、そして今年のCESでは映像の配信技術を発表するなど、積極的な姿勢ではXMに負けていない。
政治的な話はともかく、今回のCESでの注目は、Siriusがサテライトラジオシステムを使った映像配信技術を発表したことである。まだ試験段階だが、技術的に映像配信が可能であることを示した。
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Clarion製のリアシート用ディスプレイに映像が配信される |
製品では、Siriusのパートナーメーカーであるケンウッドの活躍が目立った。
ケンウッド「Excelon KVT-915DVD」は、業界初のインダッシュ式7インチ液晶タッチパネルが付いたDVD-Audio/Videoシステムだ。もちろんSiriusのサテライトラジオに加え、AM、FM、TVチューナーが内蔵されている。DVDは、DVD-Audio/Video、DVD-R/RW、CD、VideoCD、CD-R/RW、CD-R/RW(MP3ファイル)と、まさにオールインワンの装備だ。さらに5.1チャンネルのDolbyDigitalも堪能できる。2,900ドルと価格も豪華に4月発売予定だ。
またケンウッド、Audiovoxから持ち出し可能な「プラグ&プレイ」のポータブルレシーバーが登場した。ケンウッド「KPA-SR50」は150ドルで2003年夏に発売される。
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まさにオールインワンの「KVT-915DVD」 | プラグ&プレイで持ち出し可能な「KPA-SR50」 |
ケンウッドが力勝負なら、Audiovoxはアイデア勝負に出た。
なんとサテライトラジオをバッグにしてしまったのだ。それが、Audiovox「SR-PB1」だ。Siriusのサテライトラジオのほか、FMチューナーとアンテナが内蔵されており、さらに煙草用のライターアダプタまで付いている。価格、発売日ともに未定とのことだ。
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サテライトバッグ「SR-PB1」 |
XM Satellite Radio
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XM Satellite Radioのブース |
今年のCESでは、昨年9月に発表された「プラグ&プレイ」機能を備えたDelphi「XM SKYFi Radio」(129.99ドル)と、スピーカーを備えた斬新なデザインのDelphi「XM SKYFi AudioSystem」(99.99ドル)を展示している。
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XM SKYFi Radio | XM SKYFi AudioSystem |
(山本玲)