検討会の設置要項案の中で、エンドユーザまでのアクセス部分、いわゆるラストワンマイルについてCATV・無線・光ファイバが候補としてあげられているが、そのなかでも特に北海道総合通信局が期待しているのが2.4GHz帯無線LANアクセスだ。道内ではすでに八雲町や長沼町で2.4GHz無線LANによる地域ネットワークが構築されているが、北海道総合通信局では高性能アンテナを使った実験を実施、通信距離を伸ばすことで、アクセス網としてさらに適用範囲を拡大することができるという。
この実験は、江別市近郊で実施されたもので、アンテナへの着雪による速度への影響なども含めて調査が行われた。2.4GHz帯の無線LANシステムについては、昨年末に技術条件が改定され、一定の空中線電力内であれば、指向性の高いアンテナを使用することが認められている。実験では、実効輻射電力+12.14dBmのアンテナを備えた現行規格の局と、さらに高性能なアンテナ(同+22.14dBm)を備えた実験局を使用し、速度や限界距離の測定を実施したという。それによると、通信限界距離については実験局が現行規格の局より約3倍、17kmの通信距離を確保。15km〜18km(いずれも見通し)といった距離でも、スループットは5.2Mbps〜0.7Mbpsであったという。アンテナ着雪の影響もあまり見られず、良好な結果となっている。
こうした実験結果から、低コストでネットワークを構築できるインフラとして、高性能アンテナと組み合わされたIEEE802.11bシステムが期待されるのも当然といえそうだ。
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実験中の着雪状態のアンテナ カバー内部に八木アンテナが収納されている |