【前編】 【後編】
![]() 768x1024の7.2インチ液晶では写植もふつうに読める(クリックで拡大) |
ページめくりやしおり、本の切り替えといった操作への反応は、最近のPDAなどを見慣れたユーザには遅く感じられるものだが、ページめくりについては読み進めるうちに気にならなくなった。ΣBookでは読書中断時に電源を切ったりしないので、「再開時に続きをさがしてパラパラめくる」必要がないことも関係しているように思う。
今回は試作バージョンということであらかじめ用意されていた「急行もがみ殺人事件」(西村京太郎著)と「子連れ狼(1)」(小池一夫・小島剛夕)のみでの試用だったが、マンガと小説では読みやすい液晶の明るさが異なっており、本ごとに明るさ設定を記憶する機能があると便利だろう。
![]() | 片手で持つときのために中央部にも親指で操作できるボタンが欲しい |
●本のファイルはΣBook形式に変換してから転送
実際に10Daysbook.comの漫画や小説を読む場合、ダウンロードした電子書籍ファイルをPC上でコンバートし、SDカードに転送することになる。SDカードに移した本はPC上では読めなくなり、SDからPCに戻すとふたたびPC上で読めるようになる。
今回のレビューには間に合わなかったが、モニター向けに提供される際には、イーブックイニシアティブの電子ブック販売サイト「10Daysbook.com」の電子書籍を変換するコンバータが配布される予定。300ページ弱の単行本の場合、コンバート後のデータは1冊あたり20MB〜40MB程度で、512MBのSDカードを使えば15〜30冊の本を持ち歩ける。
また、松下からもテキストやビットマップファイルを転送できるコンバータが用意される予定なので、読書端末以外にもさまざまな応用ができるだろう。
このΣBookというデバイスは、既存のPDAのような操作感覚をイメージしていると、操作への反応の遅さや液晶の制約(バックライトがない、モノクロ16階調、など)が気になるだろう。しかし、液晶2枚搭載・乾電池駆動でありながら数ヶ月にわたって電源の心配をしないで済むというのは驚異的で、製品版でボタン操作への反応速度が改善されれば、非常に魅力的なデバイスとなりそうだ。
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