チュ・ジフンの“完璧すぎないヒーロー”に惚れる!話題の韓ドラ『トラウマコード』の魅力とは? | RBB TODAY
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チュ・ジフンの“完璧すぎないヒーロー”に惚れる!話題の韓ドラ『トラウマコード』の魅力とは?

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Netflixシリーズ「トラウマ・コード」独占配信中
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 1月末。花粉症の早い到来に悲鳴を上げる知人らを横目に筆者が関心を寄せたのは、“医療ドラマ流行”の訪れである。1月10日よりU-NEXTで配信開始となった米国ドラマ『ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室』(以下、ザ・ピット)が口コミでジワジワと広がる矢先、1月24日からNetflixで韓国ドラマ『トラウマコード』が配信されたのだ。奇しくも、いずれも緊急を要する患者たちを診る医師たちの物語である。

 ざっと調べたところ、アメリカでは昨年後半より、豪華客船の医療チームを描いた『ドクター・オデッセイ』、神経外科医が主役の『Brilliant Minds(原題)』、地方の医療センターが舞台の『St. Denis Medical(原題)』が放送され、今年に入ってからは前述した『ザ・ピット』のほか、イタリアの人気ドラマのリメイク『DOC-わたしを思い出す日まで-』、シャーロック・ホームズの相棒を主役にした『Watson(原題)』の放送が始まり、さらにはジャレッド・パダレッキ(ドラマ『スーパーナチュラル』など)主演の移動診療所ドラマの企画が報じられたばかりである。医療ドラマのビッグウェーブ、確実にキテいる……!

 さて、『ザ・ピット』は2000年代に大流行した『24 -TWENTY FOUR』のように1話=1時間で構成されている群像劇で、評判通り引き込まれる面白さなのだが、まだ配信途中なのでその話はまたいつか。今回お伝えしたいのは、筆者にブームの兆しを感じさせた『トラウマコード』の魅力である。(以下、ネタバレあり)

■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターで、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X:@ymndayo / サンディエゴコミコン通信Instagram:@sdcc_maniajp


初日からフル稼働!主役は、使命感に燃えまくる天才医師



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 『トラウマコード』のあらすじはこうだ。保健福祉省のカン・ミョンヒ大臣(キム・ソニョン)が、機能不全の重症外傷チームを改善すべく、優秀な人材をハングク大学病院へ招致。その人物は、紛争地隊で精力的に活動していた国際平和医師会出身の教授ペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)だった。

 任命式当日。病院に着いたガンヒョクは重症外傷チームを訪れると、刺傷患者の治療に戸惑う当直の若手医師ヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)に助け舟を出し、そのまま緊急手術を始めてしまう。当然、任命式には大遅刻だ。院長のチェ・ジョウン(キム・ウィソン)を含むお偉方は待ちぼうけを喰らって怒り心頭だったが、ガンヒョクは気にも留めず涼しい顔。さらには、「僕が来たのは重症外傷チームを潰すためです」と、問題発言で会場を揺るがす。ガンヒョクは大病院とは思えない劣悪な体制を批判し、「重症外傷“センター”にアップグレードさせる」「改革を遂げてみせます」と高らかに宣言したのだった。

 常に救急患者の対応に追われる重症外傷チーム。この日も刺傷患者の手術を終えてひと安心と思いきや、任命式が終わる頃、滑落事故の知らせが飛び込んでくる。院内を駆け回ってガンヒョクに緊急事態を伝えるジェウォン。ガンヒョクの素早い判断で、2人はヘリコプターに乗って直接現場へ向かうことに。こうして、重症外傷“センター”の目まぐるしい日々が始まったのであった。

英断!韓国ドラマだけど恋愛要素はゼロ



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 原作は、医師が手がけた同名ウェブ漫画&小説。医療ドラマと言えば、生死の行き交う過酷な現場で友情や恋愛、組織内の派閥争いなどの人間関係がじっくり展開され、最終的に感動をもたらすというのが鉄板。その中でも恋愛要素が欠かせない傾向にある韓国ドラマだが、『トラウマコード』は、なんとロマンス要素が皆無! いずれ恋が芽生えそう……といった匂わせすら一切省いている。

 それゆえ、医療の最前線で奔走する主人公たちの悲喜交々、儲け主義の院長派との戦い、それらを経て重症外傷センターが少数精鋭チームへと成長していく過程に集中することができる。特に、荒っぽいリーダーと、その勢いに引っ張られてメキメキ実力を伸ばしていく部下たち、彼に触発されて医師としての志が向上していく同僚たちによるヒューマンドラマは、惚れた腫れたのノイズがないことで、一層輝きを放っている。

 また、医療ドラマらしい緊張感が漂う中、ガンヒョク、一番弟子ジェウォン、2人を支える看護師チョン・ジャンミ(シン・ハヨン)のトリオが繰り広げる小気味良いやり取りや、ガンヒョクの性格が招く珍事など、笑える場面もチラホラ。締める時は締め、緩める時は緩め、全体的にメリハリのある作品になっているのだ。

 スピーディーな展開と並行して時折差し込まれる、目を見張るような映像―ガンヒョクの“ここぞ”な瞬間を切り取った眼福スローモーションや、ガンヒョクが海外紛争地帯で活躍していた頃を描く過去回想のアクションシーンなど―も、我々視聴者を飽きさせない。

こんな上司ほしい!有言実行で部下マネジメントも完璧なペク・ガンヒョク



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 さて、同作の魅力の半分以上を占めるのが、ガンヒョクというキャラクター及びそれを演じた俳優チュ・ジフンだろう。

 常に自信満々で、どんなに難易度の高い手術も迷いなくテキパキ進め、「끝!(クッ)」(意味:終わり)と手術室を去っていく姿はカリスマ的。また、ヘリコプターの多用で病院財政に打撃を与えたことで院内の鼻つまみ者となり、医師生命が脅かされる事態へ追い込まれるも、「人命 > 金」という考えを決して曲げない。単なる頑固なビッグマウスではなく、ちゃんと有言実行する行動力も伴っており、人を巻き込むエネルギーもある。ガンヒョクは使命を全うしながら同志や世論を味方に付け、追加予算などの障壁をクリアしていくのだ。迅速且つ的確な仕事ぶりや一本筋の通った言動は、見ていて実に気持ちの良いものである。

 その姿に惚れぼれするのは視聴者だけでなく、一番弟子ジェウォンも同様だ。学部首位をキープする秀才で、高明な肛門外科教授ハン・ユリム(ユン・ギョンホ)のもと堅実に歩んできた彼は、偶然ガンヒョクの手術に立ち会ったことで開眼。「今回はどんな魔法を見せてくれるだろう」「僕もペク教授みたいになれるのかな」と胸を高鳴らせる。ユリムへの恩義とガンヒョクへの憧れの間で揺れるも、最終的には本心に従うのであった。

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 ガンヒョクは上司としても最高だ。ジェウォンのことを「肛門」や「(奴隷)1号」と散々なあだ名で呼ぶような意地悪な面もあるが、なんだかんだ部下思いである。要所要所で知識や技術を伝授し、失敗は即座にカバーし、叱るべきところでは叱る。必要以上に詰めることはせず、翌日からは気持ち新たに前進できるようフォローの言葉も忘れない。そして、第三者の前で褒めたり適度に現場を任せたりすることで自信を持たせる。

 ガンヒョクの秀でたマネジメント能力によってジェウォンが一人前になっていく、その師弟ドラマも『トラウマコード』の核となっている。筆者は、常に優柔不断だったジェウォンの瞳の変化が、深く心に残っている。

チュ・ジフンだからこそ生まれた“完璧すぎないヒーロー”



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 ジフンと言えば、ゾンビに悪戦苦闘しながら民を導く世子(ドラマ『キングダム』)や、勝者の道を歩むエリート弁護士(ドラマ『ハイエナ-弁護士たちの生存ゲーム』)、新進企業CEOのボディガードとなる元軍人(ドラマ『支配種』)など、頭脳も肉体も秀でた様々なキャラクターに加え、地獄の使者(映画『神と共に』)や謎めいた店のオーナー(ドラマ『照明店の客人たち』)など、ファンタジーな役どころも演じてきた。

 だから、今回の“特殊部隊以上の戦闘力を持つ天才外科”という、やや現実離れしたキャラクターも何ら違和感がない。また、部下たちを従えながら白衣をなびかせる姿に、重要な場面で高級スーツにパリッと身を包む姿など、モデルの経験を活かした最強のビジュアルを披露し、自己愛溢れるキャラクター設定にさらなる説得力を与えている。

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 飛び抜けたスペックを有するガンヒョクだが、俳優次第では“カッコよくなりすぎる”可能性もあった。しかし、ジフンだから“完璧すぎないヒーロー”が完成したと言えるだろう。

 親友を裏切る保険屋(映画『コンフェッション 友の告白』)、王を影で操る家臣(映画『背徳の王宮』)、不正に染まっていく刑事(映画『アシュラ』)など、グレーゾーンの人物を巧みに表現してきたジフン。近年では、もともと素質のあったコメディエンヌな面を伸ばし、映画『ランサム 非公式作戦』での胡散臭いタクシー運転手役や、映画『プロジェクト・サイレンス』での変わり身の早いレッカー車運転手役など、“一見怪しげでダメなところもあるけれど実は根が良い奴”を好演。余裕しゃくしゃくな表情を装いながら大袈裟な身振り手振りでその場を乗り切る軽薄なキャラクターがハマっていた。要は、俳優チュ・ジフンは良い面も悪い面も持ち合わせる人間像を創り出すのが上手いのである。

 『トラウマコード』のガンヒョクは、すぐ怒るところが欠点だ。ジフンはこれまで、冷酷な北朝鮮軍人(映画『工作 黒金星と呼ばれた男』)や掴みどころのない連続殺人犯(映画『暗数殺人』)などの悪役で、ゾクっとさせるような姿も見せてきた。だから、本気で人を怖くさせるような怒りの演技もできるが、ガンヒョクの怒る姿は非常に滑稽に仕上げている。根底に人間臭さを滲ませた、ジフンならではの演技と言えるだろう。他は完璧なのに大人げなく騒ぎ立てる姿が、「ああ、雲の上の人ではないのだな」と親近感を抱かせ、その欠点もひっくるめて愛おしく感じさせる。怒っていない時でも、ちょっとした仕草にお調子者な性格を見え隠れさせており、その洗練されていない感じもまた良い。だから人々は、ペク・ガンヒョクというキャラクターに惹きつけられるのだろう。

『トラウマコード』シーズン2発表はまもなく?



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 『トラウマコード』は作品自体に魅力があるのはもちろん、タイミングもばっちりだった。ジフンは、昨年末にロマコメ『愛は一本橋で』とホラーファンタジー『照明店の客人たち』と、2本の主演ドラマが立て続けに配信され、どちらも評判を呼んだばかり。ジェウォン役のチュ・ヨンウも、1月末に最終回を終えたばかりの史劇ドラマ『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』のヒットで最旬俳優として話題沸騰中だ。この素晴らしい相乗効果もあり、『トラウマコード』は大ヒットへ結びついたのだろう。配信翌週にNetflix週間グローバルランキング(非英語ドラマ部門)で首位を獲得。12月末からトップに君臨し続けていた韓国ドラマ『イカゲーム』の座を奪っている。

 2月10日、ソウルでは『トラウマコード』の緊急ファンミーティングが開催される(羨ましい!)。Netflixは世間の反応次第ですぐに続編制作の判断を下す印象があるので、そのファンミーティングで「シーズン2更新決定」と発表するのではないかと予想している。いや、ぜひそうなってほしい。……というのが、ジフン の熱狂的ファンからの願いである。
《山根由佳》

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