また放送中の真夜中ドラマ「それでも俺は、妻としたい」(1月11日スタート/テレビ大阪:毎週土曜深夜24:55~1:25/BSテレ東・BSテレ東4K:毎週土曜深夜 24:00~24:30)では自身初のレギュラーキャストでの母親役に挑戦中。
次々と新境地を開拓する吉本に作品にかける思いと2025年の抱負を聞いた。
ーー映画「室町無頼」が公開された心境からお願いします。
入江監督が構想8年で完成させた大切な作品です。その作品に関われたことがすごく嬉しいです。作品の方はアクションがとにかくド派手です。人のCGは使っていなくて、撮影ではみんなが密集する中で本当に戦っていました。その熱量がすごかったです。

大泉洋さんが演じる牢人で剣の達人「蓮田兵衛」と堤真一さんが演じる洛中警護を命じられた武装集団の頭目「骨皮道賢」が敵対するのですが、私は道賢様を守るために戦う隠密です。
ーー「お千」の見どころを教えてください。
女同士の闘いです。ほぼ男性陣が戦う中で私が演じる「お千」と武田梨奈さんが演じる朝鮮職人の子で弓の名手「超熙」が戦う場面が唯一の女同士の闘いになっています。梨奈さんは弓を扱い、私は短刀を使います。アクションではあるのですが生きるか死ぬかを賭けて心と心で闘っています。そこにも注目していただけると嬉しいです。
ーーこれまで芝居でアクションはどれくらいやってきましたか?
自主的に武器を使わない現代アクションの練習を2年間ほどしていたのですが、ドラマでは「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」(Huluオリジナル)で現代アクションはやらせていただきました。時代劇で武器を使った殺陣にこんなにガッツリ挑戦したのは初めてです。

撮影に入る前に2ヵ月ほど稽古をしました。
ーー殺陣に挑戦された感想をお願いします。
改めて感じたのは「アクションもお芝居なのだな」ということです。どれだけアクションや殺陣の練習をしても最終的には感情がしっかりと入っていないといけないのだなと感じました。
技術面では私のアクションや殺陣のレベルはまだまだで、もっと練習したいなと思いました。今回は短刀を使って戦ったのですが、色々な武器を使って戦えるようになりたいです。また、武器を使う使わないに関わらず戦う女性はシンプルにかっこいいなと思います。アクションの幅をどんどん広げていきたいなと思います。
ーー「室町無頼」では殺陣の他にご自身にとって「挑戦」はありましたか?
「お千」は姿勢をよくしたのですが、姿勢がよくてスタイリッシュな中でも泥臭さがあるキャラクターにしたかったです。そういった役はこれまでやってきていなかったので難しさを感じたのですが、完成した映画を観たときに自分の中の理想の「お千」になれていたのかなと思いました。

とにかく、もっともっと闘いをする現場に行きたいなと思います。あと、バク転ができるようになりたくて、今練習しています。高い所から飛び降りたり、大胆に飛び回ったりする技も身に着けられたら役の幅も広がるかなと思っていますので挑戦したいです。
ーーアクションへの思いが強いのですね。
楽しいです(笑) 変に誤解されちゃうかもしれないのですが、もともと闘うことが嫌いではないのです。闘いを学び始めてからは「闘いってこんなに深いんだ」と実感しましたし、「アクションもお芝居と一緒でコミュニケーションなのだな」と感じてからはどんどん楽しくなりました。もっと色んなことができるようになりたいです。
ーー放送中の真夜中ドラマ「それでも俺は、妻としたい」(原作・脚本・監督:足立紳)に風間俊介さんが演じる主人公。柳田豪太のママ友・みどり役でレギュラー出演されています。オファーを受けたときはどんなお気持ちだったのでしょう。
まずは「足立組に入れる」という嬉しさがあり、さらに台本を読んだらとても楽しかったです。「足立組」に参加するプレッシャーや責任感はもちろんありましたが、楽しみの方が大きかったです。
ーーみどりは母親ですが、母親役は初めてですか?
ゲストでドラマに出演したときに1歳の子どもがいる役をやったのが初の母親役で、レギュラーで母親を演じるのは今回が初めてです。
ーー母親役に挑戦するうえで意識したことを教えてください。
役作りのときに悩みました。私自身は今、自分の人生を生きているのですが、母親になるということはいうなれば“自分よりも大切なものができる”ということじゃないですか。その感覚ってどういう感覚なのだろうと思ったのですがぜんぜんわからなくて悩みました。そんな中、衣装合わせで娘役のカイラちゃん(カイラ・D)に会ったとき「この子が娘なのだ」と思って少しお話をしました。それだけで勝手に愛情が芽生えてきました。悩んだことに意味はあると思いますが、愛情って考えてもわからないものなのだな」と学びました。
ーーみどりはとてもフランクな役ですが、そういった役は演じやすいですか?
演じやすいです。今までは「悪女」とかクールな役が多かったのですが、みどりは思ったことを脳を通さずにすぐに口に出すようなキャラクターです。最初はテンポが速くて難しかったのですが、途中から楽しんで演じられるようになりました。
ーーみどりは今後、どんな活躍をされるのでしょう。
みどりは結婚もしていて子どももいるのですが、色々と紆余曲折するところがあります。風間さんが演じる豪太さんに愚痴をこぼしたり、性格や考え方がもっと出て来るエピソードもあるので、そこに注目していただけたらと思います。みどりみたいな人はけっこう多いと思いますので、近くにそういう人がいたら共感しながら楽しんでいただけるのではと思います。

たまには純粋で真っすぐな役をやってみたいと思います(笑) また、これまで自分の性格の一部分を使いそれを育てて役に生かすということはやっているのですが、そのものの自分をすべてを使って作品に溶かすというようなことがなかったので、素のままで演じられるような自分の性格とマッチする役にも興味あります。
ーー勝手な印象ですが、吉本さんというと清純派という印象もあります。
昔は自分の中で色んなことをカチカチに決めていたところはありましたが、今はより柔軟になっている気がします。表現するうえで自由な方がいいと思うので、なるべく自由に生きて行こうと思っています。今はひとつひとつの作品としっかりと向き合うことができていて、楽しく充実した日々を過ごしています。
ーー俳優としての目標を教えてください。
お芝居が大好きな限りはお芝居を続けたいです。私の幸せは常に役と向き合ってお芝居をしていることなので、それが少しでも長く続けられるようにがんばります。
ーー2025年の抱負をお願いします。
2025年は自分をもっと信じ、「実憂はそのままで大丈夫だよ」と言ってくれる周りの仲間たちを信じて、楽しく前向きに生きていきたいと思います。
ヘアメイク 藤原玲子
スタイリスト 鈴江英夫(H)