アイドルグループ・#ババババンビの元メンバーで、現在は俳優の水湊美緒の出演する舞台『NINETEEEEN GRRRLZ' 99』が、4月3日より六本木トリコロールシアターにて上演される。

同作は、1999年の世紀末を舞台にしたエンターテインメント音楽劇。90年代のメロディによって彩られた“デタラメな世紀末”に生きる個性豊かな人々を、山口乃々華、小山内花凜(ex. Le Lien)、長月翠(ex. ラストアイドル)、北野瑠華(ex. SKE48)らが演じる。
今回、舞台初出演となる水湊にインタビューを実施。活動休止、グループの卒業を経て、新たな気持ちで舞台に立つ彼女に、今の心境や作品への想いを語ってもらった。
ーー初めての舞台出演が決まったときの気持ちを教えてください。
今回演じさせていただく役は、すごくキテレツなキャラというか、明るくて周りを巻き込むようなキャラクターです。なので、初めての舞台でこんなに個性の強いキャラクターを演じることができるのか、不安でした。でも、この役をやり遂げられたら、きっと役者としてすごく成長できると思って、期待と不安、半々の気持ちで臨みました。

ーーオーディションにはどんな心境で臨みましたか?
音楽劇なので歌やダンスなど今までの経験が活かせるチャンスだと思い、「絶対やりたい!」という気持ちでした。でも、オーディションは100回受けたら1回受かるくらいのものだと聞いていたので、あまり期待せず、「受かればいいな」くらいの気持ちでしたね。なので、合格したと聞いたときは、喜びより驚きが勝っちゃいました。

ーーあとからじわじわ嬉しくなってくるやつですね。
そうですね。少ししてから、まずお母さんに報告しました。母はアイドル時代からずっと応援してくれていて、「またステージに立てるんだよ!」と伝えたら、絶対見に行くと言ってくれました。

ーー稽古に入るまでの期間は、どのように過ごしていましたか?
ボイストレーニングや、舞台演技のレッスンに参加していました。これまで映像作品には何度か出演させていただきましたが、舞台は初めてだったので、とても新鮮な気持ちでレッスンに取り組めました。

ーー初めての舞台の演技は、やってみていかがですか?
舞台では、私が思っている100倍くらいの声と動きで演じないと、感情が伝わらないんだなと実感しました。私、声は大きいほうだと思っていたのが、舞台で何百人ものお客さんに届けるための声はまったく別物でした。
ーー別物というと?
広く、遠くのお客さんまで声を届ける意識が必要なんです。アイドル時代は「マイクにしっかり声を入れる」ことを意識していましたが、それとはまったく違いますね。今のままでは足りないと思い、毎日腹筋をして鍛えています。役に立つかはわからないですけど(笑)
ーーしっかり準備して稽古に臨んだんですね。
稽古初日はすごくプレッシャーを感じていました。でも、山口乃々華ちゃんや、小山内花凜ちゃんをはじめ、共演者のみなさんが「初めは緊張すると思うけど大丈夫だよ」って声をかけてくださって、すごく安心したのを覚えています。
ーー優しい雰囲気のある稽古ですね。
演出の山崎さんからも「初めてだからこそ、上手くやることよりも、とにかく楽しんで、全力でやる気持ちを持って」とアドバイスをもらいました。そのおかげで、私も周りの人に頼らせてもらいながら、必死についていっています。

ーー稽古に入って2週間ほど経ちますが、手応えは感じていますか?
私、知らなかったことを知るの好きなので、成長できている実感があって、すごく楽しいです。アイドル時代は、ダンスや歌を教えることのほうが多かったんです。逆に今は全部教えてもらっている立場で。周りの人たちの優しさに感謝しながら、稽古させてもらっています。オリジナル脚本なので、稽古を通じてみんなで作品を作っていく感覚もあり、充実した時間になっています。

ーー今作は音楽劇ですが、注目してほしいポイントはありますか?
お芝居の面では、私がステージ上をずっと動き回っているので、ダイナミックで元気なキャラクターを楽しんでほしいですね。歌の面では、アイドル時代の歌い方とはかなり違っていて、曲に合わせて雰囲気を大切にした歌い方を意識しているので、そこも注目してほしいです。
ーー歌唱パートもあるんですね。
1人1曲、歌うシーンがあります。なので、舞台でありながら、ライブを観る感覚も味わえますし、初めて舞台を観る人でも、きっと楽しんでもらえる作品だと思います。

ーー今年は『プライベートバンカー』『純喫茶つながり、閉店します』と2本のドラマに出演されていますが、今後の役者としての目標は?
お芝居はもちろん、今回久しぶりに歌とダンスもやって、改めて自分はこれが好きだと実感しました。なので、アイドルの経験を活かした役に挑戦できたらいいなって思います。ギターを弾く役や、歌を歌う役、ダンスをする役など、アイドルの子にしかできない役もきっとあると思うので。
ーーちなみに、出演してみたい作品はありますか?
バカリズムさんの作品が大好きなので、いつかご一緒できたらうれしいです。最近も『ブラッシュアップライフ』を見返して、やっぱりすごく面白いなって思いました。安藤サクラさんのお芝居もすごく好きなので、いつか共演できるように頑張りたいです。
ーー演技以外のお仕事での目標は?
音楽活動にも力を入れたいと思っています。6月に誕生日イベントを開催するのですが、これまでトーク中心だったイベントを、今回はライブメインにする予定です。今、ギターを特訓中で、作詞作曲したオリジナル曲を披露したいと思っています。

ーーありがとうございます。最後に改めてファンの方へメッセージをお願いします。
初めての舞台で緊張していますが、みなさんと一体感を持って楽しめるよう、全力で頑張っているので、ぜひ劇場でお会いできる日を楽しみにしています。