あるK-POPスターの熱狂的ファンだったオ・セヨンは、「推し」に認知されテレビ共演もした「成功したオタク」だった。が、ある日、推しが性加害で逮捕される。突然「犯罪者のファン」になってしまった彼女はひどく混乱。受け入れ難いその現実に苦悩し、様々な感情が入り乱れ葛藤した。そして、同じような経験をした友人たちのことを思った。信頼し、応援していたからこそ許せないという人もいれば、最後まで寄り添うべきだと言う人もいる。ファンであり続けることができるのか。いや、ファンを辞めるべきか。彼を推していた私も加害者なのではないか。かつて、彼を思って過ごした幸せな時間まで否定しなくてはならないのか。 映画『成功したオタク』は「推し活」が人生の全てだったオ・セヨン監督が過去を振り返り傷を直視すると同時に、様々な立場にあるファンの声を直接聞き、その社会的意味を記録するドキュメンタリー。同作品はアジアを代表する映画祭「釜山国際映画祭」に出品され、韓国全土で拡大上映されるなど社会現象を巻き起こした。今年の3月には日本国内でも公開がスタートし、現在も全国で上映中だ。 このたび、推しの逮捕から映画『成功したオタク』を制作・公開するまでを赤裸々に綴ったエッセイ&ノンフィクション『成功したオタク日記』が7月3日に発売、オ・セヨンが来日することとなった。成功したオタク日記¥1,540(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)Amazon楽天市場 同書籍では映画に収録できなかった仲間たちへのインタビュー、そしてひとりのファンとしての“思いと時がつまった”日記と映像作家としての撮影日誌をすべて収録。日本版では日本での劇場公開/滞在時の日記と日本の観客への心を込めたメッセージも追加収録・以下は、同書からの抜粋だ。「『成功したオタク』を観て誰かを思い出し、苦しくなったり、悲しくなったりしたとしても、その果てに何かの癒しや勇気を得た方たちであれば、この本をきっと楽しんで読んでもらえるはず。もちろん、まだ映画を観る前でも大丈夫。もしこの本のせいで傷ついた時間を思い出してしまったなら、ごめんなさい。だけど、本を閉じる瞬間には、その愛に別れを告げて、再び新しい誰かを好きになれるように願っている。いつかまた誰かをきらきらした目で見つめられることを」「オッパ、なぜあんなことをしたんですか。本当にどうして。わたしが知っていたオッパの姿と違うのは、なぜですか。どうして今、オッパは拘置所にいるのでしょうか。わたしはソウルの大学に進学して、映画を勉強しています。そう伝えたかったのに。なぜ、そんなところにいるのか。本当に、どうして」「なぜわたしのすべてのはじまりには、あの人が存在しているのか。頭がおかしくなりそうだ。<中略>傷は傷として残る。他のもので癒すことはできない。記憶は古い順に削除されるのではなく、終わりなく積み重なっていく」●サイン会日時:7月5日(金)19:00~会場:SPBS本店(渋谷区神山町17-3 テラス神山1F)対象書籍:『成功したオタク日記』※サイン会の詳細は追ってSPBS本店のSNSなどで告知●書籍発売記念!映画『成功したオタク』東京再上映決定!監督登壇イベント開催6月28日(金)~7月4日(木)シネマート新宿にて1週間限定上映!<登壇イベント>日時:7月4日(木)18:30~(映画上映後トーク&書籍サイン会)会場:シネマート新宿登壇:オ・セヨン