NHKBSにて2月20日からスタートしているドラマ『舟を編む~私、辞書つくります~』。ある日突然、辞書編集部への異動を命じられた岸辺みどり(池田エライザ)が、クセの強いスタッフと中型辞書「大渡海」の編纂に加わりながら成長していく物語だ。
ドラマでは、あまり知られていない辞書制作への並々ならぬこだわりが随所で語られる。10日放送の第4回では、紙づくりの担当となった岸辺みどりがあけぼの印刷の宮本(矢本悠馬)のもとを訪れる。そこでは、馬締(野田洋次郎)の「現在発売されれいる中型辞書のなかで一番軽いものを作る」という目標のため、印刷会社が紙の制作に悪戦苦闘している事実が語られた。岸辺は「ぬめり」「コシ」「ジャムる」…業界専門の表現に戸惑いながら「薄くすると、ぬめらなくなりコシがなくなる(指に紙がほどほどにひっかかって、ページをめくりやすくなる)」「(柔らかい方がめくりやすそうだが)もっと遠慮なく、ガシガシめくってほしい」「柔らかくなるとジャムり(印刷に詰まり)やすくなる」と説明を受ける。もともとファッション誌の編集部にいた岸辺だが、このような紙へのこだわりは体験したことがなかったろう。
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辞書は2020年7月刊行予定。テスト印刷などを考え理想の紙の完成は2019年12月がリミットで、試作品を作るチャンスはあと2回という。宮本は、「用がなくても触ってめくって眺めてみたくなるような究極の紙を作りましょう!」と意気込む。これに岸辺は「用がなくても」がスゴくいいと同感する。「この前先輩に教わったんです。辞書は入口。興味とか知識の入り口。用がなくても開きたい辞書が作れたら、誰かが入口と出会うチャンスを増やせるってことですよね」と。宮本は「やばいですね、それ」「たいていの人は辞書ってゴールだと思ってて……知りたい言葉があって引いて分かってゴールみたいな…そうか、はじまるんですね、そこから」と興奮する。
ともすると辞書をネット検索と同等の役割にしか考えない場合が多いかもしれないが、触感、重さから匂いまでこだわって出来上がった辞書には、出会いが広がるロマンさえ感じさせる。
たびたびドラマに反応する広辞苑の公式Xは、今回も「辞典の短い解説では何も語りつくせませんが「入り口」になれば嬉しいです」とコメントしている。
プレミアムドラマ【#舟を編む ~私、辞書つくります~】
— NHKドラマ (@nhk_dramas) March 3, 2024
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📚第4話は3/10(日)よる10時
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