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作家・上橋菜穂子の、新たな物語としては7年ぶりとなる新作長編『香君(こうくん)』(文藝春秋、上下巻)が3月24日に発売される。
NHKでドラマ化された『精霊の守り人』をはじめ、「守り人」シリーズ、第12回「本屋大賞」を受賞して今年映画化された『鹿の王』、『獣の奏者』などの作品で知られる上橋。今作は、長編として『鹿の王 水底の橋』から3年ぶり、新たな世界を描いた物語としては『鹿の王』以来、7年ぶりとなる。
舞台は、遥か昔、神郷から降臨した初代「香君」が携えてきたとされる奇跡の稲「オアレ稲」の力によって、多くの国を従え、繁栄を誇って来たウマール帝国。その属国「西カンタル藩王国」の藩王の孫、16歳の少女_アイシャは人並外れた嗅覚を持ち、植物や昆虫たちが香りで行っているコミュニケーションを香りの声のように感じながら生きていた。
上橋は、「草木や虫、鳥や獣、様々な生きものたちが、香りで交わしている無数のやりとりをいつも風の中に感じている、そんな少女の物語です」と同作について紹介している。