70年の歴史で初めての無観客開催となった『第71回NHK紅白歌合戦』がおおむね好評のうちに終わった。その要因はズバリ「歌が主役」になっていたことだ。それをもたらした3つの観点から見ていこう。
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まずは過度な演出がなかったことが挙げられる。これまでは大ヒット映画『シン・ゴジラ』とのコラボでゴジラが襲来してきたり、タモリとマツコ・デラックスが随所に登場したり、合間の寸劇など、お祭り要素や小ネタを盛り込んでいたが、今回は無観客のため、お茶の間の視聴者にどう歌を届けるかだけに腐心していたように思われる。また松任谷由実と桑田佳祐がコラボした平成最後の紅白のように、ステージに一堂が会することもなくなり、より歌に集中できた。
日向坂46のみなさんで
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) December 31, 2020
『アザトカワイイ』
カワイさがいっぱい
つまったステージでしたね
見逃した方・もう一度見たい方は
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続いては番組のメッセージ性が強くなったことである。これまでのテーマは4年連続で「夢を歌おう」という抽象的で、漠然としたものだった。だが今回は「今こそ歌おう みんなでエール」というもの。これはまさに今、コロナに立ち向かう日本、そして世界中の人々にエールを送る意味合いに他ならない。
Superflyさんで
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『愛をこめて花束を』
壮大な歌と演奏、素晴らしかったです!
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また紅組司会は二階堂ふみ。彼女は言うまでもなく、連続テレビ小説『エール』で、戦後の日本を歌で照らした古山音を演じていた。そんな二階堂の司会抜擢は、今の日本が置かれた状況が戦後の復興期とどこかリンクしている今、必然であったのかもしれない。そしてSuperfly、玉置浩二、松田聖子といった歌手の選曲も、勇気や感動を与えるものが多かった。
第71回NHK紅白歌合戦は
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感動の名場面や
話題のあの歌を
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NHKプラスでお楽しみください
※配信は1/7まで
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3番目はライブ感だ。無観客のため事前収録に切り替えることも可能だったが、NHKはあくまでも生放送にこだわった。事前に撮られたものは「紅白ディズニースペシャルメドレー」などごくわずかだった。今年の年末は一体どんな『紅白』になるのたろうか。