今回は、1934年にカナダ・オンタリオ州で、5人の子どもを育てる夫妻に一卵性の5つ子が誕生した一件にフォーカス。経済的な面で頭を抱えていた父親に、驚くべきオファーが。シカゴ万国博覧会の運営陣が、5つ子を半年間万博に出演させることを条件に5千ドルの契約金を提示した。父親は契約書にサインしたが、これにより“5つ子”は見せ物として観客の前に展示されることに。人道的見地から見過ごせないと動いたのがオンタリオ州の政府だった。
州政府は、親権を2年間限定で州政府に譲り渡すことで、シカゴ万博の契約を無効に。5つ子は政府の保護の元、見せ物にされる必要はなくなったが、両親は州からの2年間の保護がなくなった後のことを考え「奇跡の5つ子の両親」としてアメリカ各都市を回る興行ツアーを敢行。“親が我が子を金もうけの道具に利用している”と報道され「州政府が実質的に両親から親権を剥奪」「5つ子が18歳になるまで政府と後見人が親権を持つ」という異例の法案が成立した。
後見人となったのは、生まれた際に5つ子を懸命に看護したデフォー医師。“強欲な両親から引き離されたおかげで5つ子姉妹は幸せな生活を送っている”というニュースに世界中が感動し、誰もがそう信じて疑わなかったが、実態は全く異なっていた。一体何が真実なのか?