2001年、舞台『ハムレット』についての出演の相談をされ、初めて蜷川さんと対面した篠原。ところが当時、彼女はテレビドラマで泣いたり笑ったりすることに抵抗を感じていた頃。その打ち合わせの場でも「カツラかぶって、言いたくもないセリフ言って、無理して大声出すとか無理です」と断固拒否。「舞台ってだけでジンマシンが出そうです」と退席してしまったという。
だが1週間後、蜷川さんに対する言い方を思い返して「大人げなかったな」と反省。その夜に寝ようとしたときに、蜷川さんの笑顔が思い浮かんだという。「この人と一緒に仕事をしたら、良いことがありそうだ」と考えを改め、事務所に電話。「まだ間に合うのであればやらせてください」とオファーを受けたと語った。
だがその初めての台本の読み合わせ。「大きい声で立ち上がって喋る人とか、いるんだろう」と思っていると、実際に「私の隣に座ってた俳優さんがドンと立ち上がって、『なんとかでなんとかだー!』と語りだした」と回顧。「1番嫌な奴来た」「最悪」と思っていたという。続けて、「パッと横見たら今、旦那さんの市村正親だった」と、市村と初舞台で出会ったと告げると、スタジオから驚きの声が上がっていた。