俳優の中井貴一が17日、京都・西本願寺で開催された「京都国際映画祭2019」のオープニングセレモニーで「三船敏郎賞」を受賞した。その受賞発表の直前に行われた囲み取材にて、受賞の喜びや三船敏郎さんへの想いを語った。 三船さんのように国際的な活躍が期待される俳優へ贈られる「三船敏郎賞」には、これまで、役所広司(2014年)、仲代達矢(2015年)、阿部寛(2016年)、浅野忠信(2017年)、佐藤浩市(2018年)と、錚々たる俳優陣が輝いてきた。 今回の受賞について中井は「三船さんとご一緒させていただいたこともありますし、この京都でこの賞をいただけるというのは大変光栄だと思っています」としみじみ。三船さんとの思い出としては「朝、現場に着くと、ご自分の車の周りを掃除なさっていて『ほうきで掃いてるおじさんがいるな』と思ったら三船さんだったんですね」とおどけつつ、「豪放磊落に見えるんですけど、とても細やかな方だなと感じました」とその人柄を懐かしんだ。 なお、三船さんからは「役者というのは“いる”ということだけで何かを伝えられるようにならなければダメなんだな」と若かりし頃に学んだという中井。加えて、「20代の時に見た先輩たちは本当に江戸時代に生まれたんじゃないかという方がたくさんいらっしゃったんですけど、三船さんもその中の一人だった気がします」と役者としてのすごさを言い表した。 そして、中井は、そんな三船さんの名を冠した賞に輝いたことを改めて「本当に励みになる」と喜びつつ、現在58歳で、還暦を控えた自身の年齢を指して「この年になって評価されているということは、『もういっぺん、ここから頑張れよ』と言われているような気がします」と気を引き締めていた。※協力:吉本興業