安田の父は溶接工。故郷である北海道・室蘭を中心に各地に出張して仕事をしていたそうで、帰る途中で酒を飲んだのか酔っぱらいながら帰宅。溶接焼けで褐色になった両腕に安田と兄をそれぞれ持ち上げてくれたといい、安田はそんな父が「大好きでしたね」と話した。
だが一方、安田は父について「彦摩呂さん的に言うと“病気のデパート”」と表現。「胃も切っちゃうし、腰もやるし、ここ(後頭部)にクリップ挟まってるし」と語り、さらには「舌を切る」という話まで飛び込んできた。その時、安田は「舌を切る前に父さんの話、聞いておこう」と思ったそうで聞き書きを始めたという。それがのちに形となり、2014年、『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』(幻冬舎)というタイトルで出版された。
ただ幸いなことに父は大事には至らず、舌も少し切る程度で済んだそう。心配する安田をよそに本人は、「何ともない。二枚舌が一枚舌になっただけだ」とおどけていたと語っていた。