今回、是枝監督が贈られたドノスティア賞は、俳優または監督に送られるもっとも名誉ある賞の1つで、アジア人での受賞は初の快挙となる。授賞式に登壇した是枝監督は、まずトロフィーを受け取ると、場内からスタンディングオベーションと割れんばかりの拍手が。これまでの作品映像がダイジェストで流れ、是枝監督作品には欠かせない女優、樹木希林の姿を目にした監督は、「2年前、『海よりもまだ深く』で希林さんとこの映画祭を訪れることができ、とても楽しい時間を過ごした。10年、役者と監督という関係を越えてパートナーとして映画を作ってきた方」と思い出がよみがえり、涙ぐむシーンも。
また、今回の受賞には緊張しきりで、「自分がもらうには早すぎた」と言いつつ、「まだキャリア半分であと20年は作ろうと思っている。この20年はいい映画を作って皆さんに届けたい」と、決意を新たにする場面もあった。その後、主演のリリー・フランキーも登壇。涙ぐんでいる監督へハンカチを差し出す場面もあり、会場からは再び温かい拍手がわき起こった。
また、授賞式の前の日本時間9月23日よる10時(現地時間9月23日午後3時)、記者会見にも出席。リリー・フランキーと4回目のタッグとなることを問われ、「色々なものが(リリーとは)近い。年齢が近いということとは別で、何かこう、芝居に関してもですし、日々生きていて感じている何か、こういうことはしない、とか、こういうことは恥ずかしいなとか、そういう部分がかなり共有できているという印象を持っているので、その信頼感はあります」とコメント。一方のリリーは、「最初の作品からファン。今でも会うと照れくさくてもじもじしてしまう」と意外な一面を明かす一幕もあった。