犬と一緒にドライブする人ならよくわかっているが、愛犬が自力で車に載るのは意外と大変だ。地面と車との高さ想像以上に高く、何よりも飛び乗るのを怖がりがちなのだ。そんな犬を楽に乗車させるため、大きな「ビルトインスロープ」をワンタッチで引き出せる設計にした。傾斜、幅、表面の素材などは犬の登りやすさを最大限に考慮している。同様に側面のスライドドアを開けた際は、乗り降りに便利で滑りにくい「オートサイドステップ for Dog」が利用できる。
それは、飼い主だけでなく飼い犬にも訪れている“高齢化社会”の問題だった。「自力で乗用車のステップを登れない老犬は、飼い主が抱きかかえる必要があります。でも身体が大きいと体重もそれなりにあるため、高齢者では持ち上げられません。こうしたことがきっかけで、ペットを連れて乗用車で移動するのが億劫になる、外に出かける回数が減る、というのでは悲しい。2005年以降、そうしたニーズにどう対応できるか、ずっと考えていました」と礒野氏。ビルトインスロープ、オートサイドステップ for Dogの採用などは、そうした意識が元になったものだろう。