特に次世代警備スタイルとして同社が提案している「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント(R)」においては、監視カメラの映像解析技術を応用した“人の感情を可視化する”技術を採用したり、ウェアラブルカメラと顔認証技術を活用したりと、日々進化し続けているイメージがある。
東京ビッグサイトで開催されていた「SECURITY SHOW2017」においても、「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント(R)」の新たな切り口として、「4K」や「AI」といった技術を、警備業務に落とし込んだ具体的な提案が行われていたので、紹介していこう。
●4Kだからできる映像監視による警備業務
そもそも4K(3,840×2,160)とフルHD(1,920×1,080)の解像度を比較した場合、4倍の違いがある。監視カメラとして、広域を撮影するという運用ケースなら、走行中の車のナンバーや、歩行中の人物の顔などをクローズアップして確認したい時など、この4倍の差は大きい。さらにフルHD画質よりも低い解像度のHD画質やSD画質となれば、1台のカメラで広域監視を行う場合には、切り出した際の画像の鮮明さの違いは色濃く出てくる。
ALSOKもこの点に期待しているようで、「SECURITY SHOW2017」で行われたプレゼンテーションでも、同一画角で撮影した映像を切り出して、HD画質(1,280×720)と4K画質を比較展示していた。

筆者も実際に会場でプレゼンテーションを見ていたが、HD画質では、トラックなのか、セダンなのか、ミニバンなのかをギリギリ判別できるレベルだったが、4K画質ならより明確な判別が行えるほどの違いがあった。
●肉眼では見えないものを可視化する!
また、4Kカメラで港湾部を超広域撮影した際の映像デモも興味深かった。肉眼では確認できないような航空機を4Kによる画像解析とAIを組み合わせることで、動体検知したり、認識するといったもので、会場では、大型のディスプレイに超広域映像を表示し、「どこに航空機があるでしょうか?」というクイズ形式のプレゼンテーションがされていたが、筆者の肉眼では気付くことができなかった。

さらに解答編よろしく、画面の拡大表示も行われていたが、それでも肉眼では確認すること難しく、4KとAIによる映像監視の可能性を感じさせる。
他にもAI活用という面では、カメラ映像からドローンを検知する例も紹介されており、AIに、飛翔体が鳥なのか、飛行機なのか、ドローンなのかということを学習させ、それを映像上に表示。

こちらも肉眼では判別しにくかったものを、自動で可視化するという革新的な技術となる。
このように「SECURITY SHOW2017」でも新たな進化の可能性を提示した「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント(R)」。当面のゴールといえる2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにどこまで進化していくかは今後も注視していきたい。