アメリカにおけるそんな温故知新ビジネスモデルの一事例として今回紹介したいビジネスが Selfie With Me(セルフィー・ウィズ・ミー、SelfieW.Me、以下SWM)である。運営会社であるSocial Rewardsの共同創業者マイク上杉氏は日本人で米国の高校時代からの親友であり、会社を数社売却した経験のあるシリアル起業家のジョーと共にこのビジネスを立ち上げた。今回は上杉氏へのインタビューを中心にこのビジネスモデルの特筆性と展望、着眼点についてまとめてみた。
Social Rewardsはアメリカでシード調達も済ませているITベンチャー企業だが、もともとは映画館向けのソーシャル・プロモーションを中心に事業を展開していた会社だ。しかし、停滞気味の映画業界におけるビジネス展開が当初思うようにいかず、ピボットして新たに立ち上げたのがSWM。一見これは映画館やスポーツ・アリーナ、イベント会場などに向けた「プリクラ」の焼き直しなのだが、インスタグラムやフェイスブックなどソーシャル拡散に特化しているため「印刷」機能がなく代わりにマーケティングに活用できる様々なデータ解析ツールを実装しているのが特徴だ。前述の技術の進歩と世代の入れ替わりによる需要の変化に絶妙に対応したことで成功しており、実はプリクラとは似て非なるものである。