スポーツ中継でドローンからの映像を見る機会が増えているが、ノルウェー生まれの「Staaker」はエクストリームスポーツをさらに盛り上げるために開発された撮影専用ドローンだ。 見た目はよくあるスリムなクワッド(4枚ローター)タイプのドローンだが、操縦にはコントローラーやスマートフォンを使わず、セットで開発された専用レシーバーを使用する。レシーバーは腕や腰に装着することができ、ボタンひとつで追跡撮影を開始する。しかも、マウンテンバイクやモータースポーツ、サーフィンなど、スピーディーで激しいアクションを繰り返すエクストリームスポーツでも動きを予測して、的確なアングルで撮影できる性能を持っている。 「Staaker」を開発したノルウェーのスタートアップは、2013年からドローンの開発に取り組み始めたものの、今やドローンでは当たり前になっている撮影機能をうまく取り入れることができず、そのままビジネスは頓挫するものと見られていた。スタッフはそれから3年の歳月をかけて50ものプロトタイプを製作し、とうとうエクストリームスポーツに対応できるほど高性能な追尾機能を持ったドローンを生み出すことができた。 最高時速80kmで30分間飛び続けることができ、セルフィのように気軽にひとりででも撮影できるよう、コントロールシステムは極力シンプルにしながらも、5つの撮影モードをワンタッチで切り替えることができる。さらに、ボディにローターを折り畳んで格納でき、専用のバックパックケースに入れてどこへでも持ち運ぶことができるようにした。 通常、撮影機能に特化したドローンは専用カメラを搭載している場合が多いが、StaakerはGoProなど最新のアクションカメラを組み合わせて使うことができ、ジンバルもシンプルに設計されている。そうした自由度の高さもセールスポイントのひとつになっている。 CEOのO.J.ゼーラント氏は、「ユーザーが求める信頼ある撮影機能を実装するためにテストを繰り返し、最適な撮影ができるようにした」と語る。耐久性にも優れており、北極圏やハワイなどさまざまな環境でも問題なく撮影できるとしている。そうした自信を裏付けるかのように、製品のデモビデオでは、あらゆるスポーツシーンや広大な風景を迫力ある角度から捉えた映像が紹介されている。 現在、今年末の発送に向けて最終の開発工程に入っており、プレオーダー価格1,195ドルで手に入れることができる。 スペック Staaker サイズ:44.0×34.0×15.0cm 重量:約1.6kg 飛行速度:最高時速80km 飛行時間:約30分 操作距離:約50m 参考価格:1,195ドルから 文:野々下裕子