トプコンと前田建設工業は4日、近赤外線を用いたインフラ構造物の非破壊・非接触塩害調査システム「コンクリート劣化診断システム」を開発したことを発表した。 コンクリートの表面を破壊することなく、非接触で表面の塩分量を測定することで、劣化状況の可視化を可能としている。 従来、コンクリートの塩害による劣化を測定するには、構造物からコア抜きによる試料採取を行い、塩化物イオン量の測定を行う方法が一般的だったが、構造物を一部破壊する必要がある上、測定には多大な時間と費用がかかっていた。 特に橋梁調査などでは数か所のサンプリング調査に留めざるを得ないこともあり、正確な診断を行うためにも新たな診断手法の開発は課題となっていた。 今回のシステムでは、コンクリート表面からの反射光を元に表面の塩分量を推定。近赤外領域の分光スペクトルを測定することから、非破壊・非接触で測定でき、さまざまなコンクリートの種類にも対応する。 また、広範囲のコンクリート表面塩分量のマッピングが可能となるため、塩害劣化の危険性が高い個所を特定することも可能となっている。 両社は今後、システムの現場適用性の向上と推定精度の向上を行い、インフラ維持管理分野でのサービス展開を行っていく。